近代以前の天然真珠を髣髴させる 《白蝶芥子真珠 金のペンダント 直径 10 ミリメートル》 厚い真珠層と優れた照り 十八金の金具



 無核のゴールド・リップ白蝶真珠で作ったスライド・ペンダント。当店にて制作した新品です。本品の真珠はたいへん美しい金色ですが、無調色、すなわち人工的な染色を施さない天然の色です。真珠は世界に一つのバロックで、おおよその直径は十ミリメートルです。





 白蝶貝(Pinctada maxima)はアラフラ海から珊瑚海、フィリピン周辺、アンダマン海(ミャンマー沿岸)を中心に分布し、貝殻内側の縁の色によってゴールド・リップとシルバー・リップの二つに分かれます。ゴールド・リップと呼ばれる白蝶貝は金色の有色真珠層を持ち、これが貝殻内側の縁に露出しています。真珠は貝殻の真珠層と同じ構造ですから、ゴールド・リップ白蝶真珠の表面は、挿入した核の表面がひとまず金色の真珠層に被われます。

 本品はシロチョウガイから得られた稀少な無核真珠です。このような真珠を芥子(けし)真珠と呼びます。芥子真珠の成因は、大きく二つに分かれます。成因の一つは、挿入された核の周りに真珠袋ができた後、貝が核を吐き出す場合です。もう一つは、挿核手術の傷が引き金となって、核の無い所に不定形の真珠が形成される場合です。これらいずれの場合においても、ゴールド・リップ白蝶貝の真珠層は、有核真珠の場合とまったく同様に、形成初期に美しい金色を呈します。本品の金色はこのようにして生じた天然の色であり、人為的調色(染色)によりません。





 シロチョウガイからいっそう大きな真珠を得るために、最初の真珠を取り出した後、その時点で大きく成長している真珠袋に元の真珠の大きさほどの核を挿入し、養殖を継続することがあります。この操作をセカンド・オペレーションと呼びます。セカンド・オペレーションを行えば大きなサイズの真珠を得られますが、二度目の真珠を作る際には貝が真珠層を形成する能力が弱っているために、厚い真珠層はできません。

 先ほど述べたように、芥子(けし)真珠の成因の一つは、核が貝から吐き出されたことによると考えられます。貝が核を吐き出す現象はファースト・オペレーション後にもセカンド・オペレーション後にも起こり得ます。ファースト・オペレーションの核が吐き出されてできる芥子真珠は、貝が元気であるゆえに、優れた照りの厚い真珠層に被われます。しかるにセカンド・オペレーションの核が吐き出されてできる芥子真珠は、貝が真珠層を作る力が弱まっているゆえに、照りにおいて劣ります。

 本品のように小さなサイズの白蝶真珠は、有核真珠の場合も、芥子真珠の場合も、ファースト・オペレーションによります。本品がファースト・オペレーションの真珠であることは小さなサイズからわかりますが、強く美しい照りから判断しても、ファースト・オペレーションの真珠であることは明らかです。本品は活力にあふれたシロチョウガイが真珠層のみで作り上げた稀少な無核真珠であり、厚い真珠層が見事な照りを生み出しています。





 本品の金具は十八カラット・イエロー・ゴールド(十八金)でできています。金具は日本製で、撥環(ばちかん)の上部に純度が刻印されています。





 本品は世界にただひとつの形と厚い真珠層を誇る真正の白蝶真珠です。無核のバロック真珠でありながらも丸く整った形状は、十九世紀の天然真珠を髣髴させます。天然真珠の時代であれば、金色に輝く本品は、王侯貴族の身を飾ってこそ相応しいと看做されたでしょう。

 本品は非常に強い照りを有しますが、色は上品なシャンパン・ゴールドですので、白蝶真珠のペンダントやネックレスと合うのはもちろんのこと、異素材のジュエリーと組み合わせることも可能です。本品の品質はどのような機会にも堂々と着用できるものであり、日々ご愛用いただける一点ものジュエリーに仕上がっています。





本体価格 32,000円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




白蝶真珠のジュエリー 商品種別表示インデックスに戻る

真珠のジュエリー 一覧表示インデックスに戻る


真珠のジュエリー 商品種別表示インデックスに移動する

ファイン・ジュエリー 商品種別表示インデックスに移動する


宝石とジュエリー 商品種別表示インデックスに移動する



アンティーク アナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する




Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS