フランス各地で野外に見られる大きな十字架「クロワ・ド・ミシオン」(仏 croix de mission ミシオンの十字架)は、その地でミシオン・パロワシアルが行われた際、記念に立てられたものです。クロワ・ド・ミシオンの土台には、その地でミシオンが行われた年号と日付が書かれています。またアルマ・クリスティ(キリスト受難の道具)、すなわち酢を含ませた海綿を刺してキリストの口に差し出した棒、キリストの脇腹を突き刺した槍などが取り付けられることが多くあります。
ミシオンに参加した信徒には、スヴニール・ド・ミシオン(Souvenir de Mission) と書かれたロザリオやメダイが教会から与えられました。スヴニール・ド・ミシオンとは、フランス語で「ミシオンの記念品」あるいは「ミシオンからの贈呈品」という意味です。これらの品物は暖炉の上など家族の目に付く場所に飾られました。
下に示すブロンズ製クルシフィクスは十九世紀のもので、リヨンのメダイユ彫刻家リュドヴィク・ペナン(Ludovic Penin, 1830 -
1868)の作品です。裏面にスヴニール・ド・ミシオン(Souvenir de Mission) の文字があります。