I | イエス、死刑判決を受け給う。 | マタイ 27:11 - 14 他 | ||||
II | イエス、十字架を負わされ給う。 | マタイ 27:31 他 | ||||
III | イエス、十字架の重みに倒れ給う。 | 正典福音書に該当無し | ||||
IV | イエス、聖なる御母に出会い給う。 | 正典福音書に該当無し | ||||
V | キュレネ人シモン、イエスが十字架を運び給うのを助け奉る。 | マタイ 27:32 他 | ||||
VI | 神を畏れる女、イエスの御顔を拭い奉る。 | 正典福音書に該当無し | ||||
VII | イエス、再び倒れ給う。 | 正典福音書に該当無し | ||||
VIII | イエスに付き従うイスラエルの娘らを、イエス慰め給う。 | ルカ 23:28 - 31 | ||||
IX | イエス、三たび倒れ給う。 | 正典福音書に該当無し | ||||
X | イエス、衣を奪われ給う。 | マタイ 27:35 他 | ||||
XI | イエス、十字架に付けられ給う。 | マルコ 15:25, 26 他 | ||||
XII | イエス、十字架上に息絶え給う。 | ヨハネ 19:28 - 30 他 | ||||
XIII | イエス、十字架から降ろされて御母に渡され給う。 | ヨハネ 19:38 他 ただし福音書は聖母に言及せず。 | ||||
XIV | イエス、墓に安置され給う。 | ヨハネ 19:39 - 42 他 |
【1991年以降の十四留】
上記十四留のうち福音書に明記された出来事は九留のみで、残り五留の出来事は伝承によります。
また福音書に関連がある九留のなかでも、第十三留は聖母がイエスを抱くピエタの図像で表現されるのが常ですが、イエスの遺体を取り下ろした人物として、福音書にはアリマタヤのヨセフのみが挙げられています。すなわちイエスの降架と埋葬を記録した「ヨハネによる福音書」十九章三十八節から四十ニ節によると、アリマタヤのヨセフがイエスを十字架から取り下ろし、そこにニコデモが没薬と沈香を持ってきました。イエスの遺体は香料を添えて尼布に包まれ、近くの墓に納められました。ここに名前が出るのはアリマタヤのヨセフとニコデモだけであり、素直に読めばイエスの降架はこの二人によって行われたと思われます。
「マタイによる福音書」二十七章六十一節によると、アリマタヤのヨセフがイエスを墓に納めて立ち去った後も、マグダラのマリアともう一人のマリアが墓の近くに残りました。「マルコによる福音書」十五章の記述も同様ですが、墓の近くに残った「もう一人のマリア」をヨセの母マリアと明記しています。「ルカによる福音書」二十三章五十五節には、アリマタヤのヨセフに付いて行ったのがガリラヤからイエスに従った女性たちであると書かれています。すなわちアリマタヤのヨセフがイエスの遺体を十字架から降ろしたとき、女性たちがその場にいたと福音書は明示していないし、聖母マリアへの言及もありません。
1991年、当時の教皇ヨハネ=パウロ二世は聖書に拠らないこれら六留を他の出来事に置き換え、新しい十四留を下記のように定めました。これら十四の留はいずれも福音書に典拠を有します。
I | イエス、ゲツセマネの園で祈り給う。 | マタイ 26:36 - 46 他 | ||||
II | イエス、ユダに裏切られて捕えられ給う。 | マタイ 26:47 - 56 他 | ||||
III | イエス、サンヘドリン(ユダヤの最高法院)にて罪に定められ給う。 | マタイ 26:57 - 68 他 | ||||
IV | イエス、ペトロに否認され給う。 | マタイ 26:69 - 75 他 | ||||
V | イエス、ピラトに裁かれ給う。 | マタイ 27:11 - 26 他 | ||||
VI | イエス、茨の冠を被せられ給う。 | マタイ 27:29 他 | ||||
VII | イエス、十字架を負い給う。 | ヨハネ 19:17 | ||||
VIII | キュレネ人シモン、イエスが十字架を運び給うのを助け奉る。 | マタイ 27:32 他 | ||||
IX | イエスに付き従うイスラエルの娘らを、イエス慰め給う。 | ルカ 23:28 - 31 | ||||
X | イエス、十字架に付けられ給う。 | マタイ 27:35 他 | ||||
XI | イエス、善き盗賊に天の御国を約し給う。 | ルカ 23:39 - 43 | ||||
XII | イエス、御母をヨハネに託し給う。 | ヨハネ 19:26 - 27 他 | ||||
XIII | イエス、十字架上に息絶え給う。 | マタイ 27:45 - 56 | ||||
XIV | イエス、墓に安置され給う。 | マタイ 27:57 - 61 他 |