フランスに特徴的なローズ・ゴールドがかった金色のハート形に、立体的な聖母像をあしらった美しいメダイ。1930年代頃のフランスで制作されたものですが、ハートの左側がアカンサスとなった左右非対称のデザインは、アール・ヌーヴォーの面影を色濃く残します。
両腕を斜め下に降ろして掌を前に向け、球体上に立って蛇を踏み付ける聖母は、無原罪の御宿りとして表されています。聖母は頭をわずかに右(向かって左)にかしげ、あくまでも優しく罪びとを招いています。聖母の高さはわずか 12ミリメートルほどですが、女性らしい体の丸みと、衣の柔らかい質感が、巧みに表現されています。
上部の環にメーカーのマーク、吊り輪に「リス」(LYS 百合)の刻印があります。
細部においてある程度の摩耗が見られますが、約 80年前のアンティーク品としては、十分に良好なコンディションです。