160年前のフランスで、ブロンズに打刻された小さなメダイ。1854年12月8日、当時の教皇ピウス9世によって、「無原罪の御宿り」がカトリック教会の教義であると正式に宣言された際に、記念として制作されたものです。
一方の面には、球体の上で蛇を踏み付ける「無原罪の御宿り」すなわち聖母の姿が浮き彫りにされています。本品は打刻によるメダイですので、浮き彫りの凹凸はごく浅く、磨滅して消えかかっている部分もありますが、星の冠を被った聖母が胸の前に腕を交差させ、祈りの姿勢を執っている様子がよくわかります。聖母に対する呼びかけが、フランス語で記されています。
Marie conçue sans péché 罪無くして宿り給えるマリアよ。
「無原罪の御宿り」(IMMACULATA CONCEPTIO) は、1854年12月8日、教皇ピウス9世により、教義として正式に宣言されました。本品はその記念として制作されたメダイで、もう一方の面には月桂樹らしき植物を交差させ、次の言葉をフランス語で記しています。
DOGME DEFINI PAR L'ÉGLISE / PIE IX / 8 Xbre 1854 カトリック教会によりて定められたる教義 ピウス9世 1854年12月8日
本品はブロンズの打刻による典型的な19世紀の作例ですが、1854年の教義宣言記念として、同時代のごく限られた期間にのみ制作されたもので、数が非常に少ない入手困難品となっています。商品写真は実物の面積を50倍に拡大しており、磨滅箇所がよく判別できますが、肉眼で実物を見ると十分に綺麗な保存状態です。
小さく軽量なメダイですので、ペンダントとして日々常用するのに適しています。時を経ることによって得られた丸みが、聖母の優しさを思い起こさせてくれます。