20世紀前半にフランスで制作されたスカプラリオのメダイ。ホールマークが磨滅していますが、おそらく800シルバー製と思われます。
メダイの一方の面には、左手で聖心を示し、右手で天を指し示すイエズスが浮き彫りにされています。茨に巻きつかれて血を流すイエズスの聖心は、愛の炎に燃えています。首を少し右に傾げて天を仰ぐイエズスの姿勢は、グイド・レーニのエッケ・ホモーを思い起こさせます。
もう一方の面にはカルメル山の聖母が聖サイモン・ストックに出現する場面が浮き彫りにされています。聖母子は跪く聖人の前に雲に乗って現れ、聖母は肩布を、イエズスは茶色のスカプラリオを、それぞれ授けています。周囲にはラテン語で「カルメルのおとめ」(VIRGO CARMELI) と記されています。スカプラリオのメダイは数多くありますが、カルメル山の聖母が聖サイモン・ストックに出現する場面を表現したものは珍しく、あまり見つかりません。
商品写真は実物の約40倍の面積に拡大しているために、メダイ表面の磨耗がよく目立ちますが、実物を手に取ると、真正のアンティーク品ならではの優しい丸みを感じます。