稀少品 マリ=ベルナール修道士作 幼きイエズスの聖テレジア アール・ヌーヴォー様式の列聖記念メダイ 20.9 x 12.8 mm
突出部分を含むサイズ 縦 20.9 x 横 12.8 mm
フランス 1920年代後半頃
リジューの聖テレーズが1925年に列聖されて間が無い頃に制作されたメダイ。テレーズやベルナデット・スビルー、聖母をテーマに、数多くの美しい彫刻作品を制作したトラピスト修道士、マリ=ベルナール修道士 Fr. Marie-Bernard (俗名 ルイ・リショム Louis Richomme, 1883 -
1975)の作品です。マリ=ベルナール修道士は1922年に、薔薇の溢れるクルシフィクスを胸に抱いたテレーズ像を、リジューのカルメル会修道院のために制作しているのですが、本品はこの有名なテレーズ像を、作者マリ=ベルナール修道士自身の手でメダイ彫刻として再現したものです。
テレーズはカルメル会の修道女の服装、すなわち茶色の修道衣、薄茶色のマント、白のウィンプル、黒の頭巾を身に着け、眼差しを真っ直ぐに神へと向けています。聖女はあたかも幼子を抱くかのように愛しげに、クルシフィクスを胸に抱いています。受難の象徴であるクルシフィクスは咲きこぼれる薔薇に埋もれていますが、この薔薇は十字架上の受難において極点に達し、聖女の魂に照り映える神の愛の形象化であると同時に、あたかも力学的な反作用のように、聖女の魂のうちに芽生え、実を結んで神へと向かう愛の形象化でもあります。聖女の周囲にはラテン語で「幼きイエズスの聖テレジア」(SANCTA
TERESIA A JESU INFANTE) と記されています。
メダイの裏面には聖テレーズの言葉がフランス語で記されています。
Je veux passer mon ciel à faire du bien sur la terre. 私は地上に善を為すために、天での時を過ごしましょう。
メダイの上部には薔薇が浮き彫りにされています。自然のままの左右非対称の薔薇を写実的に再現した彫刻は、19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパを席捲したアール・ヌーヴォー様式であり、日本美術の影響を強く受けています。
正面向きのテレーズは、この聖女に関して最もよく見られる表現です。しかしながらこのタイプの図像、彫刻にも出来不出来があります。本品は、このテレーズ像の原作者マリ=ベルナール修道士自身による作品だけあって、やはり最も優れた出来栄えです。この優れた出来栄えは、マリ=ベルナール修道士自身がテレーズと同様に修道者であり、魂の深奥に発する共感を以ってテレーズ像を制作した故でしょう。裏面に制作された薔薇の浮き彫りも非常に美しく、非の打ちどころがありません。
保存状態に関しても、本品は最良のクラスに属します。数十年前のフランスで制作された真正のヴィンテージ品であるにも関わらず、制作当時のままの状態で残っています。
本体価格 12,800円 販売終了 SOLD
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