最初期の作例 極稀少品 「幼きイエズスのテレーズ修道女 1873 - 1897年」 列福前のメダイ 直径 13.6 mm
Sœur Thérèse de l'Enfant-Jésus, 1873 - 1897
突出部分を除く直径 13.6 mm
フランス 20世紀初頭
リジューの聖テレーズをテーマにした最初期のメダイ。リジューの聖テレーズは最もよく知られた聖人のひとりであり、四人しかいない女性教会博士のひとりであるとともに、フランスの守護聖人のひとりでもありますが、このメダイが制作されたときは、未だ列聖も列福もされていない一介の修道女「スール・テレーズ(シスター・テレーズ)」でした。
メダイ表(おもて)面の浮き彫りにおいて、テレーズは跣足カルメル会の茶色いヴォワル(voile ヴェール)とアビ(habit ハビット、 修道服)、白いコワフ(coiffe ウィンプル)とマントを身に着けています。浮き彫りを囲むように、次の言葉がフランス語で刻まれています。
Sœur Thérèse de l'Enfant-Jésus, 1873 - 1897 幼きイエズスのテレーズ修道女 1873 - 1897年
テレーズは没後26年目の 1923年に早くも列福されましたが、福者テレーズのメダイは、この段階で既に、薔薇が咲きこぼれるクルシフィクスを胸に抱き、メダイを見る者に向かってほほ笑む姿に定型化されます。しかしながら本品において、テレーズは薔薇のクルシフィクスを抱かずにまっすぐ前を見つめており、上の肖像画に基づいて制作された作品であることがわかります。上の肖像画は20世紀初頭、遅くとも1910年頃までには流布していました。
メダイの裏面には左上に跣足カルメル会の紋章を浮き彫りにしています。紋章には勝利の象徴であるネツメヤシの葉が添えられています。本品の直径は 13.6ミリメートルで、紋章のサイズは縦 7ミリメートル、横
5ミリメートルしかありませんが、紋章の複雑な意匠は細部に至るまで正確に再現されています。
裏面右側には十字架が配され、その下に聖テレーズの言葉が刻まれています。なお本品表(おもて)面のモデルとなった肖像画の縁にも、同じ言葉が記されています。
Je veux passer mon ciel à faire du bien sur la terre. 私は地上に善を為すために、天での時を過ごしましょう。
リジューのテレーズはフランスのみならず世界でも最も人気がある聖人のひとりであり、この人のメダイ自体は決して珍しい物ではありません。しかしながらテレーズが「福者」(Bienheureuse) であったのはおよそ二年間であるのに対し、「聖人」(Sainte) とされてからは90年近くの年月が経っています。それゆえテレーズのメダイのうち 99パーセントは「聖テレーズ」のものであり、「福者テレーズ」のメダイはたいへん稀少です。
しかるにさらに稀少なのが尊称を付けない列福以前の作例です。本品は列福以前に制作された「スール・テレーズ」(Sœur Thérèse テレーズ修道女)のメダイで、博物館の収蔵品クラスと言っても大げさではない稀少品です。本当は手放したくないのですが、アンティークアナスタシアは博物館ではないので、価値がわかる方にお譲りいたします。
本品はリジューのテレーズをモティーフにした最初期のメダイであり、およそ百年あるいはそれ以上前のフランスで制作された真正のアンティーク品です。商品写真は実物の面積を60倍に拡大しているゆえに突出部分の磨滅がよく判別できますが、肉眼で見る実物は十分に美しく、決して見苦しくはありません。可愛らしいサイズは身に着けやすく、使い勝手の良いジュエリーになります。
本体価格 12,800円 販売終了 SOLD
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
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