前世紀の中頃にフランスで製作されたカシアの聖リタのメダイ。聖リタは「絶望的な状況にある人の守護聖女」(Sainte des impossibles) として多くの人々が神への執り成しを願う聖女です。本品は銀無垢の高級品です。
表(おもて)面には、クルシフィクスの前で祈る修道女姿の聖リタが浮き彫りにされています。聖女は額に傷を受けており、茨の冠を胸に抱いています。聖リタの浮き彫りの周囲には、聖所に執り成しを求める祈りの言葉がフランス語で刻まれています。
Sainte Rita, priez pour nous. 聖リタよ、われらのために祈りたまえ。
聖女の背後にはフランスを代表するメダイ彫刻家のひとり、リヨンのアドルフ・ペナン (Adolphe Penin, 1888 - 1985) のサインが刻まれています。
裏面にはフランスの北東端、オランダとの国境に近いヴァンドヴィル(Vendeville ノール=パ=ド=カレー地域圏ノール県)の聖リタ教会が浮き彫りにされ、フランス語で「ヴァンドヴィル、聖リタ教会」(Ste.
Rita, Vendeville) と書かれています。聖リタの遺体はカシア(イタリア)のバシリカに安置されていますが、ヴァンドヴィルの聖リタ教会はカシアのバシリカと特別な関係があって、聖リタの重要な巡礼地になっています。
このメダイは八角形をしていますが、キリスト教において「八」は新生、再生、生まれ変わりを表し、また山上の垂訓(マタイによる福音書5章3節から10節)で説かれている八つの幸福を象徴する数でもあります。メダイ上部の環には800シルバー(純度800/1000のシルバー)を示すフランスのホールマーク(蟹)が刻印されています。
商品写真は実物を約50倍の面積に拡大していますので、突出部分の磨滅が判別できますが、実物は綺麗です。数十年前に制作された古いものとしては、十分に良いコンディションです。