直径およそ 3センチメートルの大型メダイ。500円硬貨二枚分に相当する14グラムの重量があり、手に取るとかなりの重みを感じます。
17歳の少女ジャンヌは総重量20キログラムに及ぶ 15世紀の甲冑を身に着けて、剣を抱き、整った横顔を見せて天上に目を向けています。ジャンヌの若く張りのある肌、つややかな髪、女性らしい体つきを保護する丸みを帯びた甲冑、首元に覗く鎖帷子(くさりかたびら)など、細部を忠実に再現した浮き彫りは、メダイ彫刻家の優れた技量を証しています。
ジャンヌが胸に抱く剣は、まさに十字架の形をしています。スペインの守護聖人サンティアゴ(聖ヤコブ)が武人として表現され、その剣が十字架に見立てられるのと同じように、フランスの守護聖女ジャンヌは十字架形の剣を抱いているのです。
メダイの裏面には、ジャンヌが火刑に処された地、ルーアンのシンボルである大時計「ル・グロ・ゾルロージュ」(le Gros Horloge) が、精緻な浮き彫りによって表現されています。この時計は
1389年に設置されたもので、ジャンヌの時代 (c. 1412 - 1431) にはすでに存在していました。
このメダイは未販売の新品(デッドストック品)です。金属部分、エマイユ部分とも、特筆すべき問題は無く、全体的に良好なコンディションです。彫刻が素晴らしいうえにサイズも大きく、立派な聖品です。