「無原罪の御宿り」「聖痕を受ける聖フランチェスコ」 フランシスコ会第三会のメダイ 33.8 x 21.3 mm 18世紀以前の作例


突出部分を含むサイズ 縦 33.8 x 横 21.3 mm

フランス  18世紀以前



 一方の面に無原罪の御宿りを、もう一方の面にアッシジの聖フランチェスコ (Francesco d'Assisi, 1182 - 1226) を、それぞれ浮き彫りにしたフランシスコ会第三会のメダイ。ブロンズを用いて二百年以上前に制作された非常に古い品物で、上部に突出した環の形状が、後世のものとは異なります。





 メダイの一方の面には、キリストから聖痕を受ける聖フランチェスコを浮き彫りにしています。

 トンマーゾ・ダ・チェラーノ(チェラーノのトンマーゾ Tommaso da Celano, c. 1200 - c. 1260/70) が著した「聖フランチェスコの第二伝記」("Vita secunda S. Francisci", 1246/ 1247)、及びボナヴェントゥラ (Bonaventura, c. 1221 - 1274) が著した「大伝記」("Legenda Maior", 1263) によると、聖フランチェスコは、1224年、ラヴェルナの山中で祈っているときに、セラフの姿で出現したキリストから聖痕を受けたとされています。

 メダイの浮き彫りはこのときの光景を彫ったもので、跪く聖人の姿を斜め前から捉えています。本品において、キリストはセラフの姿を取っておらず、通常の十字架上のキリストとして出現しています。聖人の傍らには弟子レオーネが祈祷書に目を落として祈っています。岩山であるラヴェルナの荒涼とした風景が、二人の修道士を取り巻いています。





 もう一方の面には、下弦の月に乗った無原罪の御宿りが浮き彫りにされています。聖母は胸の前に手を合わせ、頭部の周囲には十二の星の一部が見えています。聖母像は五つの結び目のある荒縄に囲まれていますが、この荒縄は在俗のフランシスコ会「第三会」でベルトとして使われるものです。五つの結び目は、聖フランチェスコが聖痕として受けた「キリストの五つの傷」を表すとともに、「愛」「服従」「貞潔」「悔悛」「清貧」を象徴しています。





 本品上部の環に開けられた孔は、直径およそ 1ミリメートルで、細めのチェーンを使うことが可能です。ただしチェーンの端の金具をいったん外さなければ通すことができません。当店にてチェーンを用意することも可能ですし、革紐等を使用してもよいでしょう。





 本品は二百年以上前におそらくフランスで制作されたものです。写真ではあまり綺麗に見えませんが、実物は重厚な濃褐色のパティナ(古色)に被われ、真に古い物のみが獲得する美をまとっています。特筆すべき問題は何もありません。





本体価格 28,800円 販売終了 SOLD

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