聖クリストフを眺め、心安らかに行け クラシカルなレーシング・カーのメダイ 直径 19.5 mm
突出部分を除く直径 19.5 mm
フランス 1910年代
1910年代のフランスで製作されたクラシカルなメダイ。
表(おもて)面に浮き彫りにされているのは、ヤコブス・デ・ヴォラギネの聖人伝、「レゲンダ・アウレア」("LEGENDA AUREA") に収録された聖クリストフの伝承です。渡し守クリストフは、幼い男の子を肩に載せて河を渡り始めたのですが、途中で男の子があまりにも重くなったので、腰をかがめて杖にすがり、問いかけるように肩の上の男の子を見上げています。
怪力無双の大男クリストフは立木を引き抜いて杖にしていますが、男の子の重さを支えるために全身の筋肉が張り詰め、盛り上がっています。肩の上の男の子は全宇宙の支配権を示すグロブス・クルーキゲル(世界球)を左手に持ち、右手で天を指さして、自分が天地の造り主、神なる幼子イエズス・キリストであることを宣言しています。
強い向かい風のせいで、クリストフの脚に衣が張りつき、肩のあたりの布も体を離れてはためいています。衣が風に翻るのは、絵画や彫刻によくある表現ですが、このメダイにおいては、クリストフの膝下に渦を巻く激流や、飛ぶように流れる雲と相俟って、荒々しい自然の迫真的描写となり、地上を旅する教会、人間と、それを庇護したまう神の限りなき恩寵を、巧みに表しています。
裏面には1910年代の二人乗りレーシング・カーが田舎道を疾走する様子が大きく浮き彫りにされ、周囲にフランス語で次の言葉が書かれています。
Regarde St. Christophe, puis va t'en rassuré. 聖クリストフを眺め、心安らかに行け。
1920年代に入ると屋根付きの自動車が広まりますが、1910年代の自動車はまったくの無蓋であるか、せいぜい幌付きです。自動車乗り(運転手と乗員)は飛行帽のような帽子を被っています。
(下 参考写真) 1910年頃のフランスの絵葉書
聖クリストフは旅人や乗り物に乗る人を事故から守ってくれる守護聖人で、中世以来「聖クリストフの姿(絵や像)を見る者は、その日のうちに『悪しき死』に遭うことが無い」と言い伝えられています。「悪しき死」とは、救いを得るための秘跡を受けずに死んでしまう突然の死のことです。
(下 参考画像) 聖クリストフォロスの札 手彩色木版画 (南ドイツ、1423年) 家に貼るためのもの。絵の下部に書かれているラテン語は次のとおりです。
Christofori faciem die quacumque tueris, illa nempe die morte mala non
morieris. クリストフォロスの顔を見れば、その日は決して悪い死に遭うことがない
「聖クリストフの姿(絵や像)を見る者は、その日のうちに悪しき死に遭うことが無い」という言い伝えは、ロマン・ロランの長編小説「ジャン・クリストフ」の冒頭部分でも引用されています。
このメダイはおよそ百年前のフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、非常に古い年代にもかかわらず、たいへん良好なコンディションです。幼子イエズスや聖クリストフの表情、衣の襞、川面の波や雲、月、裏面のレーシング・カーの細部など、すべて綺麗に残っています。
本体価格 11,800円 販売終了 SOLD
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