地水火風と闘う聖クリストフ 月夜の川のメダイ 直径 16.1 mm
突出部分を除く直径 16.1 mm
フランス 1930 - 40年代頃
ヤコブス・デ・ヴォラギネの聖人伝、「レゲンダ・アウレア」("LEGENDA AUREA") に収録された伝承にしたがって、幼子イエズスを背負う聖クリストフを刻んだメダイ。
渡し守クリストフは、肩に載せた幼い男の子が急に重くなったので、問いかけるような面持で男の子を見上げています。男の子は全宇宙の支配権を示すグロブス・クルーキゲル(世界球)を手にし、天を指し示して、自らが神にして天地の造り主イエズス・キリストであることを宣言しています。
中世以来、クリストフの絵や像を見た者は、その日のうちに「悪(あ)しき死」(臨終の場に司祭が立ち会わない突然の死)に遭うことが無いと信じられています。
(上) 参考画像 聖クリストフの札 手彩色木版画 (南ドイツ、1423年) 家に貼るためのもの。絵の下部に書かれているラテン語は次のとおり。
Christofori faciem die quacumque tueris, illa nempe die morte mala non
morieris. クリストフォロスの顔を見れば、その日は決して悪しき死に遭うことがない。
それゆえクリストフのメダイには人気があって、さまざまな作品が作られています。聖人と幼子イエズスの仕草や表情、周囲の風景描写、裏面のデザインなどを比べて鑑賞するのが、この聖人のメダイに出会ったときの楽しみです。
この作品において、遠景の山のごつごつした岩肌、聖人の脚に当たって逆巻く水、衣を大きく膨らませはためかせる強風、雲の向こうに見える弦月は、古代ギリシア以来、大自然のストイケイア(四元素)とされた地水火風を表しています。神が造り給うたナチュール(自然)のただなかで、圧倒的な力に立ち向かう聖人クリストフと、聖人を祝福する天地の創造主の姿を置くことにより、突然の死から守ってくれるメダイとして、このうえなくふさわしい作品に仕上がっています。
また本品は直径 16ミリメートルと指先に乗るサイズですが、幼子イエズスも聖クリストフも、大型の彫刻作品に勝るとも劣らず均整がとれた人体表現に成功している秀作です。顔の直径は幼子イエズスが
1ミリメートル、聖クリストフが 2ミリメートルほどですが、それぞれの表情からは感情を読み取ることができます。メダイの右下、縁の近くにあるモノグラム
(CHL) は、メダイユ彫刻家のサインです。
メダイの裏面には、次の言葉がフランス語で刻まれています。
Je suis Catholique. En cas d'accident ou de maladie je désire un prêtre. 私はカトリック信徒です。事故か病気の際には司祭を呼んでください。
このメダイは数十年前に制作された古いものですが、たいへん良好な保存状態です。まったくと言ってよいほど摩耗しておらず、当時のままの状態で細部まで残っています。
本体価格 4,800円 販売終了 SOLD
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
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