十字架を掲げる聖ベネディクトゥス 19世紀末のブロンズ製メダイ 21.8 x 15.7 mm


突出部分を含むサイズ 縦 21.8 x 横 15.7 mm

フランス  1892年



 西ヨーロッパの修道制度の創始者として、中世以降のキリスト教史に大きな足跡を残した聖人、ヌルシアのベネディクトゥス (St. Benedictus de Nursia, c. 480 – c. 547) のメダイ。19世紀末のフランスで、スクリュー・プレスの打刻により製作されたもので、素材はブロンズです。





 表(おもて)面には、右手に持った十字架を高く掲げる修道服姿の聖ベネディクトゥスが表されています。聖人の足許には牧杖とミトラが置かれていて、修道院長として表されていることがわかります。聖人の左手には聖ベネディクトゥス戒律が見えます。

 聖人の左(向かって右)にはカラスが刻まれています。聖人を妬む者が聖人のパンに毒を入れましたが、カラスがそれを咥えて遠くに捨てたことで、聖人は難を逃れました。





 メダイの裏面に書かれた文字が何を表すのか、長い間謎でしたが、1415年の写本が1647年にバイエルンのメッテン修道院で発見され、その意味が明らかになりました。まず、十字架上のイニシアル9文字が表すのは次の言葉です。

  CRUX SACRA SIT MIHI LUX. NUNQUAM DRACO SIT MIHI DUX.  聖なる十字架が我が光であるように。竜(悪魔)が我が導き手となることが決して無きように。

 メダイの上部のギリシア文字「イオタ・エータ・シグマ」(IHS) は、ギリシア語「イエースース」(イエズス)を表します。周囲のイニシアルが表すのは次の言葉です。

  VADE RETRO SATANA. NUNQUAM SUADE MIHI VANA. SUNT MALA QUAE LIBAS. IPSE VENENA BIBAS.

  退けサタン。虚しき事で我を誘うな。汝が我に与うるは悪しき物なり。汝自身が毒を飲め。

 十字架の背景にある4文字のイニシアル C. S. P. B. は「聖なる師父ベネディクトの十字架」(CRUX SANCTI PATRIS BENEDICTI) を表します。


 本品はスクリュー・プレスで打刻して作られたメダイで、凹凸の高低差はわずかですが、聖人の表情、カラスの羽毛等、図像の細部までよく残っています。その他の点でも特筆すべき瑕疵は何ひとつありません。制作からおよそ百二十年が経過するもかかわらず、非常に良好なコンディションです。





本体価格 7,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




聖ベネディクトゥスのメダイ 商品種別表示インデックスに戻る

天使と諸聖人のメダイ 一覧表示インデックスに戻る


天使と諸聖人のメダイ 商品種別表示インデックスに移動する

メダイ 商品種別表示インデックスに移動する


キリスト教関連品 商品種別表示インデックスに移動する



アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する




Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS