表(おもて)面に聖心を指し示すイエズス、裏面にカルメル山の聖母を浮き彫りにしたスカプラリオのメダイ。赤色の半透明ガラスを用いて、両面にエマイユ(七宝)が施されています。
表(おもて)面のイエズスは真っ直ぐにこちらを見、左手を胸の高さに上げて聖心を示し、右手で天を指さしています。茨に巻きつかれて血を流すイエズスの聖心は、愛の炎に燃えています。
イエズスを囲む枠は直線を多用した左右対称のアール・デコ様式で、一輪の薔薇をあしらいます。薔薇はもともと5枚の花弁を有する花で、受難の際にイエズスが負いたもうた五つの傷(両手、両足、脇腹の傷)を象徴します。
裏面の聖母子はゴシックまたはバロック様式の表現で、八角形の枠に囲まれ、頬を寄せて睦み合っています。聖母は勝利の冠を被り、手にしたスカプラリオを示しています。
本品は数十年前に制作された真正のヴィンテージ品であるにもかかわらず、エマイユに破損はありません。たいへん良いコンディションです。