聖母マリアが原罪を引き継がずに母アンナの胎内に宿り生まれたという「無原罪の御宿り」(IMMACULATA CONCEPTIO) が、1854年12月8日、教皇ピウス9世により、カトリック教会の教義として正式に宣言されました。このメダイはその100周年を記念して、1954年にイタリアで制作されたものです。
表(おもて)面にはエステバン・ムリリョの名画「アランフエスの無原罪の御宿り」に基づく浮き彫りがあります。下弦の月に乗り、胸に両手をあてて天上を仰ぐ聖母の足許には、雲の合間に大勢のプッティ(有翼の童子)が顔をのぞかせています。
【下】 参考画像 Bartolomé Esteban Murillo, La Inmaculada de Aranjuez, 1650 - 60,
oil on canvas, El Museo del Prado, Madrid
聖母を取り囲むように、次の言葉がイタリア語で記されています。
centenario Mariano, 1854 - 1954 マリア100周年 1854 - 1954年
上部の環にはメダイの製造国を表す「イタリア」(ITALY) の刻印があります。
メダイの裏面には聖心を示すイエズス・キリストが浮き彫りにされています。イエズスの手には釘の傷があります。イエズスは右手を挙げ、祝福の姿勢を取っています。
本品は真正のヴィンテージ品ですが、摩耗の程度はごく軽く、細部までよく残っています。50年以上前の品物としては、十分に良好なコンディションです。