ベル・エポック期のフランスで制作された稀少な枠付メダイ。透かし細工のリボン飾りが上部に付いた金色の円形枠に、打ち出し技法によるものと思われるメダイを嵌め込んでいます。後ろの脚で支えて自立させることができます。自立時はしっかりと安定しています。
メダイの図柄は最後の晩餐のときのイエズスと使徒ヨハネで、ヨハネによる福音書 13章に記述があります。主イエズスが弟子たちのなかでも特に愛された若者ヨハネは、主の隣で過ぎ越しの食事の席に着いています。食事が始まるとき、イエズスは、まもなく自分が弟子の一人に裏切られるという予告をします。シモン・ペトロがヨハネに向かって、主が誰のことを言っておられるのか尋ねるように合図をし、ヨハネはイエズスの胸元に寄りかかったまま、「主よ、それは誰のことですか」とイエズスに訊ねています。
このメダイにおいて、イエズスは内面の卓越性を表すかのように大きく表され、若き使徒ヨハネは少女のような美青年に描かれています。イエズスの予告に悲しむヨハネは目を閉じて胸に手を当て、イエズスはヨハネを力づけるかのように肩を抱いています。イエズスはテーブル上のワインの杯に左手を添えています。その隣に置かれた皿にはパン切れが載っています。
参考画像 同じ場面を描いた小聖画 いずれも当店の商品です。クリックすると拡大画像が見られます。
この枠付メダイはおよそ百年前のフランスで制作されたもので、真正のアンティーク品ならではの美しい古色が見られます。古い物ですが破損はまったく無く、たいへん良いコンディションです。