18カラット・イエロー・ゴールド製
救いと再生をもたらす恩寵の器 受胎告知のマリア 八角形の金無垢ペンダント 21.0 x 14.0 mm
突出部分を含むサイズ 縦 21.0 x 横 14.0 mm
フランス 20世紀前半
聖母マリアのアンティーク・ペンダント。およそ百年、あるいはそれ以上前のフランスで制作されたアンティーク品で、18カラット・ゴールド(十八金)を使用しています。
本品の浮き彫りにおいて、まだ十代半ばの少女マリアは信仰の証しである神の花嫁のヴェールを被っています。受胎告知の際、マリアは「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」(ルカ 1:38)と答え、自由意思によって救いを受け入れて、恩寵の器となりました。
本品に掘彫られたマリアの横顔は大人びていますが、これはイスラエルの太祖たちにも勝る優れた信仰が、成熟した表情として視覚化されたためです。少しうつむき加減のマリアはガブリエルの言葉を思い返しています。マリアは神を信ずる揺るぎない信仰を持ちつつも、「聖なる者、神の子」を生むという想像を絶する告知の意味について、思いを巡らせているように見えます。
フランスにおけるメダイユ彫刻中興の祖ダヴィッド・ダンジェ (Pierre-Jean David d'Angers, 1788 - 1856) はモデルの横顔を好んで作品にし、「正面から捉えた顔はわれわれを見据えるが、これに対して横顔は他の物事との関わりのうちにある。正面から捉えた顔にはいくつもの性格が表われるゆえ、これを分析するのは難しい。しかしながら横顔には統一性がある。」と言っています。
ここでダヴィッド・ダンジェが言っているのは、モデルの顔を正面から捉えて作品にする場合、その時その場でその人物(彫刻家)と向かい合っているという特殊な状況(一回限りの、個別的な状況)のもとで、その時限りの感情や、取り繕った体裁が顔の表情となって現れ、モデルのありのままの人柄を観察・描写する妨げになるのに対し、横顔には常に変わらないモデルの人柄が、ありのままの形で現れる、ということでしょう。その時限りの感情ではなく、ましてや取り繕った体裁ではなく、モデルとなる人物の生来の人柄と、それまで歩んできた人生によって形成された人柄を作品に表現するのであれば、横顔を捉えるのが最も適しているというダヴィッド・ダンジェの指摘には、なるほどと頷(うなず)かせる説得力があります。
したがってこのペンダントに彫られたマリアの横顔は、いわば誰にも見られていない時のマリアの素顔です。歳若き少女マリアの美とは、神の眼に適う卓越した信仰がその素顔に滲み出たものにほかならず、不可視の信仰に裏打ちされたマリアの美を余すところなく捉えたところに、メダイユ彫刻家の優れた力量が発揮されています。
このメダイは八角形のシルエットを有します。
キリスト教では神が天地創造に要し給うた日の数である「七」を「完全数」、すなわち物事の完結性、完全性を象徴する数と考えますが、「八」は「七」の次の数であるゆえに、物事の新たな始まり、新生、生まれ変わり、新しい命の象徴とされます。全身を水中に浸す洗礼が行われていた時代に、洗礼堂が八角形のプランで建てられていたのも、「八」が有するこの象徴性ゆえです。
したがって八角形の中央にマリアを配した本品の意匠は、マリアが受胎告知を受け容れたことによって人間に新しい生命が与えられたこと、マリアこそが天と地、神と人を繋ぐ恩寵の器であることを表しています。
ペンダント本体上部の環に、18カラット・ゴールドを示すフランスのポワンソン(ホールマーク)「鷲の頭」と、オルフェーヴル(金細工工房)のマークが刻印されています。
本品は金無垢製ですので金属の酸化による古色(パティナ)も無く、また高価なものゆえに大切にされてきたため、瑕(きず)や磨滅もまったくありません。保存状態があまりにも良すぎるために、それほど古い時代の物には見えませんが、このメダイは数十年前に制作された真正のヴィンテージ品です。
本体価格 33,800円 販売終了 SOLD
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
ビジュ・ド・デヴォシオン キリスト教をモチーフにしたジュエリー 商品種別表示インデックスに戻る
ビジュ・ド・デヴォシオン キリスト教をモチーフにしたジュエリー 一覧表示インデックスに戻る
キリスト教関連品 商品種別表示インデックスに移動する
アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する
Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS