細密画入り写本

聖務日課書リーフ


羊皮紙にインク、金箔  14世紀


イタリア製素材の特注フレームに二重の緞子マットとシルバーのカラーマットを使用して額装済

額の概寸: 28 x 24.5 cm



 北フランスにある修道院の書庫から発見された中世のリーフ。

 ヨーロッパで紙が使われるようになるのはルネサンス期ですが、この聖務日課書はそれ以前の書物であり、羊の皮を軽石で薄く削った羊皮紙が使われています。また活版印刷術が発明される以前の時代ですので、写字生が1文字ずつ筆写しています。

 ひとつひとつ丁寧に書き写された文字。金箔をふんだんに使ったイニシャル。空想的に様式化された中世特有の植物文様。 地上よりもむしろ天上に視線を向けて、来世への憧れと祈りに生きた中世人の心性がうかがえます。

 書かれている内容は次の通りです。言語はラテン語です。日本語訳は筆者(広川)によります。




聖ステファノ殉教者の祝日 第8日


Laudes

Omnipotens sempiterne Deus, qui primitias Martyrum in beati Levitae Stephani sanguine dedicasti:tribue,

quaesumus: ut pro nobis intercessor exsistat,

qui pro suis etiam persecutoribus exoravit Dominum nostrum Jesum Christum.


賛課 (暁の祈り)

全能にして永遠なる神よ。至福なるレビ人ステファノが血によりて、殉教者が初穂を聖別し給ひし神よ。

御計らひにより、彼をして我らが執り成し手とならしめ給はんことを。

彼、迫害する者どもが為に、我らが主イエズス・キリストに祈りたれば。



Prima

Positis autem genibus, clamavit voce magna: Domine, ne statuas illis hoc peccatum.

Et cum hoc dixisset, obdormivit in Domino.


一時課 (日の出時の祈り)

ステファノは跪きて、大なる声にて叫びき。主よ。この罪を彼らに負はさしめ給ふことなかれと。

かく言ひ終へて、ステファノは、主がうちに安らひき。




 210,000円 額装代込 販売終了 SOLD

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