くだものの妖精を描いた可愛らしいサイズの絵。質が良く厚みのある中性紙に刷られたクロモリトグラフ(多色刷り石版画)です。
表(おもて)面には、ももを胸元にふたつ抱えた可愛らしい少女が描かれています。髪にはももの花を飾り、首元にはつぼみを象(かたど)ったペンダントを付けています。ももの花はとても大きく、また少女は大きなももの葉をまるでドレスのようにまとっています。この少女はきっと小さなももの精なのでしょう。
画面の向かって左端には「もも」(peches) と書かれています。また画面左下には、パリ中心部のドーフィーヌ通り16番地にあったリトグラフの版元、オブリ
(Librairie Auguste Aubry) の名前があります。裏面は白紙です。
本品は百数十年前のパリで製作されたものですが、それほどまでに古い物とは思えないほど良好な保存状態です。