エフェメラとは、ポスター、絵葉書、トレイド・カード（企業の宣伝を目的に製作されたカード）、カレンダー、メニュー等、多くは実用的な目的のために製作された作品群です。
「エフェメラ」(ephemera) はもともと「一日だけの（寿命の）もの」という意味のギリシア語（エピ・ヘーメラ ἐπί- ἡμέρα ）に由来する言葉で、その名の通り、長期に亙る保存を前提として作られていないのが、ファイン・アート（芸術のための芸術品。絵画や彫刻など）と大きく異なる点です。ただし、だからといって、エフェメラの芸術的価値が認められていないということでは決してありません。アルフォス・ミュシャやトゥルーズ＝ロートレックによるポスターをはじめ、数多くのエフェメラが美術館に収蔵されています。
20世紀前半頃までの紙は長期保存に適した中性紙ですので、アンティーク品でありながらも良好な保存状態です。またエフェメラはその実用的性格ゆえに、現在まで失われずに残っている点数が少なく、その稀少性がコレクターを引きつけています。
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