ロジョー作 雲の上に立つ無原罪の御宿り 大型の作品


額全体のサイズ 32 x 25.5 cm

フランス  1854年頃



 ふたりのケルビムに支えられて、雲の上に立つ無原罪の御宿り。この種の彫刻としては最も大型の部類に属する作品です。無原罪の御宿りを雲に乗せて天上から降下させるのは17世紀のスペイン絵画によく見られる表現で、ムリリョの「スルトの無原罪の御宿り」「アランフエスの無原罪の御宿り」等、数々の有名な作品がこの構図により描かれています。




(上・参考画像) ムリリョ 「スルトの無原罪の御宿り」 Bartolomé Esteban Murillo (1618 - 1682), La Inmaculada de Soult, 1678, oil on canvas, Museo del Prado, Madrid

(下・参考画像) ムリリョ 「アランフエスの無原罪の御宿り」 Murillo, La Inmaculada de Aranjuez, 1650 - 60, oil on canvas, Museo del Prado, Madrid




 聖母は全身から恩寵の光を発しつつ、両腕を広げて斜め下に伸ばし、掌を正面に向けて罪びとを抱きとめるべく招いています。右脚に体重を掛けたコントラポストの姿勢のために、聖母の体は優しい逆S字カーブを描いています。優美な衣の襞のみならず、衣の織り柄、マントを縁取る刺繍、マントを留める紐、ケルビムの翼の羽毛等の細部に至るまで、細かい表現が為されています。聖母の左下(向かって右下)に彫刻家のサイン (Rogeau) が彫られています。

 この作品はヨーロッパからの移送中に破損しましたので、パテで修復いたしました。聖母像自体の破損は軽微で、右手の先が折れた程度ですが、背景部分は漆喰(しっくい)が薄くて脆弱(ぜいじゃく)であったために、いくつかの破片に割れています。破損にもかかわらず優れた出来栄えの作品ですので、私はたいへん気に入っていて、売れなくとも構わないと考えています。





本体価格 48,000円 販売終了 SOLD

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