天上なる柱の聖母 精緻な透かし細工の銀製メダイ 22.7 x 15.3 mm


突出部分を含むサイズ 縦 22.7 x 横 15.3 mm

スペイン  1946年頃



 スペインとスペイン系の諸国民の守護聖女、サラゴサのヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル(柱の聖母)を象った銀製の高級メダイ。1946年6月24日、教皇ピウス12世により、ヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル聖堂は小バシリカとされました。このメダイはおそらくその記念として制作されたものであろうと思われます。





 本品のヌエストラ=セニョラ・デル・ピラルは、透かし彫りによって背景から独立しているうえに、後光や雲、建物に比べて、この部分だけがたいへん肉厚に作ってあるため、小さなサイズにもかかわらず、あたかも丸彫りのヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル像を眼前に見るかのように、力強い表現に成功しています。

 聖母の下半身から柱頭にかけての部分は、ふだん円錐台形のマントに覆われていますが、このメダイでは全身が露出しており、バロック彫刻らしく体をひねったコントラポストの優雅な姿勢を目にすることができます。聖母の左腕に抱かれた幼子イエズスは小さな冠を、聖母は後光と一体化した巨大な冠を、それぞれ頭上に戴いています。この冠は1845年から現在まで続くマドリー(マドリッド)の老舗ジュエリー工房、アンソレナ (Ansorena) によって製作されたもので、1905年、サラゴサ大司教の手により、聖母の頭に載せられました。

 ヌエストラ=セニョラ・デル・ピラルが立つ柱は、雲の上に浮かんでいます。遠景にバシリカが見えているにもかかわらず、メダイの下部に雲を配することによって、ヌエストラ=セニョラ・デル・ピラルが天上で戴冠した栄光の聖母であることを宣言しています。





 本品は20世紀前半に製作されたものですが、高級アンティーク・ジュエリーの雰囲気を漂わせています。まず、メダイの外縁は花弁のような美しい飾りに囲まれ、その内側には19世紀のファイン・ジュエリーに見られる「ミル打ち」を模した粒状の線が走ります。また四隅にはローズ・カットを施したパイライトに似せたデザインを配し、マーカサイト・ジュエリーが流行した19世紀の雰囲気を再現しています。さらに外縁を囲む花びら飾りの表面、及びパイライト状の部分は、ビュラン(グレイヴァー)による彫金によって滑らかな表面となり、強い輝きを放っています。

 メダイの裏面に、メダイを製作した銀製品工房の刻印と、銀のホールマークが見られます。このメダイは全体的に非常に細かい作りであるとともに、上質のアンティーク・ジュエリーの高級感を有します。また保存状態もたいへん良好で、細部に至るまで、鋳造当時のコンディションのまま残っています。





本体価格 15,800円 販売終了 SOLD

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