フランス製の佳品 天上の光に包まれた美しい聖母 「諸天の女王」の美麗アンティーク・メダイ 直径 33.0 mm


突出部分を除く直径 33.0 mm

フランス  1930年代



 美しく整った聖母マリアの横顔を幾重もの光輪が包みこむ美麗なメダイ。直径 33ミリメートルと大きめのサイズで、8.7グラムの重量があり、手に取ると心地よい重みに高級感を感じます。





 手間を惜しまずに製作された昔の品物で、鋳造により制作した人像形メダイユに、三つの環状部品を手作業で鑞(ろう)付けしてあります。外側の二本の輪、針金をジグザグに加工した部品と、珠が連なるように捩(よじ)った部品は、とりわけ手が込んでいます。同心円状の重なりは、中世のイルミネーション(写本の挿絵)に見られる諸天の重層的構造を連想させます。

 日々の聖務日課を締めくくる終課の終わりには、マリアを称える四種類のアンティフォン(antiphon 交唱)のうちいずれかが唱えられます。そのうちのひとつに「アウェ、レギナ・カエロールム」(AVE REGINA CAELORUM) があります。「アウェ、レギナ・カエロールム」は、日本語では「めでたし、天の女王」等と訳されていますが、この「カエロールム(天)」は複数形です。フランス語では「サリュ、レーヌ・デ・シユ」(Salut, Reine des Cieux. めでたし、諸天の女王)と複数形を用いて訳されています。「アウェ、レギナ・カエロールム」が作られた古代以来、天はいくつもの層の重なりでした。使徒パウロはコリントの信徒への手紙二12章2節で、脱魂状態で「第三の天」まで引き上げらた経験について述べています。

 天動説あるいは地球中心説が信じられていた時代、すなわちアリストテレス、プトレマイオスの古代から、ヨハネス・ケプラーの師であったティコ・ブラーエの時代まで、天は重層的な構造を有していました。当時のヨーロッパ人の考えた宇宙観は、ダンテの「神曲」に描かれたパラディゾ(天国)を見ればよく分かります。「神曲」は14世紀の作品ですが、ここに描かれたパラディゾは、地球から近い順に月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星の各「遊星天」、次に「恒星天」、次に神により最初に動かされる「原動天」、最後に神及び神に選ばれた者の住まう「至高天」というヒエラルヒー(階層構造)を有します。





 このメダイにおいて、聖母マリアを取り囲む幾重もの光輪は、ひとつには女のうちで神に祝されたもの(BENEDICTA IN MULIERIBUS) を包む恩寵の光であり、またひとつには、救い主を産むことによって恩寵の器 (vase de benediction) となった聖母を通して、神から人間に与えられる数々の恩寵の表現であり、さらには聖母が「諸天の女王」(REGINA CAELORUM レギナ・カエロールム)であることをも視覚的に示していると解釈できます。

 メダイの材質はベース・メタルに金めっきを施していますが、古いものにもかかわらず、めっきの剥がれもほとんど無く、たいへん良いコンディションです。ゴールドに合う濃い色の洋服の上にペンダントとして着けると、透かしの部分を通して、色彩が美しく響き合います。歳若いマリアをモティーフに、古き良き時代のフランスで製作された華やかな聖品です。





本体価格 16,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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