幼子イエズスの聖テレジア ラテン語による美麗メダイ 「私は天から薔薇の雨を降らせましょう」 22.4 x 20.3 mm


突出部分を含むサイズ 縦 22.4 x 横 20.3 mm

フランス  1930年頃



 1920年代後半から1930年代頃にフランスで制作された幼きイエズスの聖テレジア(リジューの聖テレーズ)のメダイ。聖テレジアは聖女の中でも特に人気のある人で、数多くのメダイが制作されていますが、本品はコキーユ・サン=ジャック(coquille St-Jacques イタヤガイ)のような形をしたたいへん珍しい作例で、私もこの一点しか見たことがありません。





 表(おもて)面は、直径1センチメートルあまりの円形メダイを、中央に爪留めしたように見えるジュエリー風のデザインで、円形メダイの周囲及び下部は、アンティーク・ファイン・ジュエリーに見られる彫金細工「ミル打ち」を模したパターンを用いて美しく飾られています。円形メダイに浮き彫りにされた聖テレジアは、薔薇が咲きこぼれるクルシフィクスを胸に抱き、愛するイエズスがおられる天を見上げています。周囲にラテン語で「幼きイエズスの聖テレジア」 (SANCTA TERESIA A JESU INFANTE) と記されています。

 上部の環に「フランス」(FRANCE) の文字、及びメダイ工房のマークが確認できます。


 薔薇の花が咲きこぼれるクルシフィクスを抱く姿は、テレーズ像の典型的な表現です。厳律シトー会の修道士マリ=ベルナール (Fr. Marie-Bernard, 1883 - 1975) はテレーズ像の連作で知られますが、この図像に基づく彫刻作品を制作し、1922年に完成させています。マリ=ベルナール師の作品は、リジューのカルメル会修道院に所蔵されています。





 裏面には天から地上に降り注ぐ薔薇の花々と、跣足カルメル会の紋章の一部があしらわれています。周囲には聖テレジア自身による次の言葉がラテン語で記されています。

  ROSARUM IMBREM E COELO EFFUNDAM.  私は天から薔薇の雨を降らせましょう。


 天から降る薔薇の花々はいずれも丁寧かつ正確に造形されていますが、メダイの実物において、それぞれの花の直径は 1ミリメートルに満ちません。またこの面の浮き彫りには雲が表されていますが、色彩を使用できない彫刻において、雲のように不定形なものの輪郭をぼかして表現するのは至難の業です。フランスはメダイユ彫刻が極度に発達した国であり、信心具としてのメダイは、美術メダイユ制作の伝統に裏付けられています。フランスならではの優れた作例である本品も、その例に漏れません。





 このメダイは聖テレジアの列聖から間もない頃に制作されたものと考えられますが、古い年代にもかかわらず、非常に良好なコンディションです。図柄は両面とも浅浮き彫りですが、まったく摩耗しておらず、細部まではっきりと判別できます。





本体価格 16,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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