極稀少品 「我らの完全なる模範にして守護者なる聖ヨセフ」「イエズスとマリアの聖心」 天上なる聖家族 愛のメダイ 直径 16.8 mm


突出部分を除く直径 16.8 mm

フランス  1957年



 聖家族の三人が揃ってモティーフとなった小さな円形メダイ。一方の面に聖父ヨセフとその腕に抱かれる幼子イエズス、もう一方の面にイエズスと聖母の聖心を、たいへん細密な浅浮き彫りで表しています。

 本品はフランシスコ会第三会のアンドレ・オセール (André Haussaire, 1911 - 2000) というフランス人男性が 1952年に受けた啓示に基づき、1957年1月10日にクレルモンの司教総代理 A. ショーモン (A. Chaumont) 師が認可して制作されたメダイです。それほど古い時代のものではありませんが、非常な稀少品で、私自身、実物を見るのは本品が初めてです。少しの枚数がおそらく一度だけ作られたのであろうと思います。



 キリスト教の伝統的聖堂建築において、四角形を組み合わせた下層部分や壁面は地上界を表します。しかるに円あるいは球は「永遠性」「完全性」を象徴する図形であり、これを模(かたど)る穹窿(ドーム)は、神の領域すなわち天上界を表します。本品が円形であるのも、聖家族がいまや天上にあることを象徴的に表現しています。





 本品の一方の面には幼子イエズスを抱く聖父ヨセフが表されています。ヨセフの頭部には後光があり、イエズスの頭部にはいっそう明るく輝く後光がありますが、これらの後光が無ければ二人の姿はどこにでもいる父子と変わらず、幼子は父の胸にもたれかかって甘え、左腕で幼子を支える父は、右手で幼子の手を取っています。聖父子を刻んだメダイにもさまざまな作風の作品がありますが、本品は父子の睦み合う様(さま)を、あたかもバロックの聖母子像のように優しい感情を籠めて表現しています。本品は、聖父子像が表しうるさまざまな象徴的意味のなかでも、父子の愛を特に強調した作例となっています。

 ヨセフは伝統的イコノロジー(図像表現)にしたがって年長の男性として表されており、右腕と体の間に白百合を挟んでいます。聖ヨセフに執り成しを願う祈りの言葉が、父子を囲むようにフランス語で記されています。

 Saint Joseph notre modèle parfait et notre protecteur. priez pour nous.   我らの完全なる模範にして守護者なる聖ヨセフ、われらのために祈りたまえ。

 祈りのなかにある「我らの完全なる模範」(notre modèle parfait) というフレーズは、「純潔」を表す百合の象徴性と連動しています。さらに百合は神に選ばれた身分の象徴でもあり、ヨセフが聖母子の守護者として神に選ばれたことをも表しています。





 19世紀のフランスで制作されたメダイには細密なものが多くありますが、本品は小さなサイズゆえに、いっそう細密な作例のひとつとなっています。上の写真は実物の面積をおよそ70倍に拡大しており、定規のひと目盛は 1ミリメートルです。人物の顔や手は直径 1ないし2ミリメートルに収まる極小サイズですが、大型彫刻に劣らない生き生きとした表情で、父子の間に通い合う愛が表現されています。





 もう一方の面にはイエズスと聖母の聖心が表されています。イエズスの聖心は両親を含めた人への愛に燃え、聖母の聖心はイエズスと神と人への愛に燃えて、まばゆい光輝を発出しています。ふたつの心臓を取り巻くように、フランス語の祈りが刻まれています。

 Sacrés-Cœurs de Jésus et de Marie, sauvez-nous.  イエズスとマリアの聖心よ、我らを救い給え。


 本品は数十年前のフランスで制作された真正のヴィンテージ品ですが、古い年代にもかかわらず、たいへん良好な保存状態です。聖父子の浮き彫りはとりわけ精緻で、メダイユ芸術の国フランスならではのミニアチュール彫刻には賛嘆の念を禁じえません。





本体価格 15,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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