カロ作　アール・デコ様式による聖クリストフのメダイ　25.5 x 19.1 mm


突出部分を含むサイズ　縦 25.5 x 横 19.1 mm

フランス　　1930 - 40年代頃

　ヤコブス・デ・ヴォラギネの聖人伝、「レゲンダ・アウレア」("LEGENDA AUREA") に収録された伝承にしたがって、幼子イエズスを背負う聖クリストフを刻んだメダイ。ブロンズに銀めっきを施したものと思われます。

　渡し守クリストフは、肩に載せた幼い男の子が急に重くなったので、問いかけるような面持で男の子を見上げています。男の子は全宇宙の支配権を示すグロブス・クルーキゲル（世界球）を手にし、天を指し示して、自らが神にして天地の造り主イエズス・キリストであることを宣言しています。

　中世以来、クリストフの絵や像を見た者は、その日のうちに突然の死に遭うことが無いと信じられています。それゆえにこの聖人は絶大な人気を誇り、メダイのモティーフとしても親しまれています。




（上）　参考画像　聖クリストフの札　手彩色木版画　（南ドイツ、1423年）　家に貼るためのもの。絵の下部に書かれているラテン語は次のとおり。
　Christofori faciem die quacumque tueris, illa nempe die morte mala non morieris. 　　クリストフォロスの顔を見れば、その日は決して悪い死に遭うことがない。


　このメダイに彫られた幼子イエズスと聖クリストフは、大型の彫刻作品に勝るとも劣らず均整がとれた人体表現に成功しており、また前景向かって右端に見える木の枝や、背景の荒れ野の描写も臨場感があふれます。

　このメダイはもともと楕円形であったものを、その優れた出来栄えゆえに、元の鋳型に六角形の縁を付加して再利用したと思われます。六角形の縁は直線を多用した左右対称のアール・デコ様式です。

　向かって右端、縁の近くに、フランスの彫刻家カロ (Karo) のサインがあります。カロはカトリックのメダイを数多く手掛けています。メダイに限らず、多作の芸術家の作品は玉石混交である場合が多いですが、私がこれまでに目にしたカロの作品は、どれも美しい出来栄えです。

　メダイ上部の環に「フランス」(FRANCE) の文字、及びフランスのメダイユ工房のマークが認められます。

　このメダイは数十年前に製作された古いものですが、摩耗はほとんど無く、細部までよく残る良好なコンディションです。

本体価格　8,800円　販売終了　SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。




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