未販売のヴィンテージ品 《クロワ・ブルトンヌ ブルターニュのケルト十字 39.7 x 22.0 mm》 渦巻文と組紐文による作例 フランス 1960年代


突出部分を含むサイズ 縦 39.7 x 横 22.0 mm



 六角形のフランス本土の北西端からは、ブルターニュ半島が大西洋に突き出しています。ブルターニュ(仏 Bretagne)というフランス語は、英語ブリテン(英 Britain)と同じ言葉です。すなわち連合王国(イギリス)の大部分を占める島を英語でブレート・ブリテン(英 Great Britain 大ブリテン)と呼び、フランスのブルターニュは英語でブリタニー(英 Brittany)と呼ばれます。しかるにフランス語では連合王国の島をラ・グランド=ブルターニュ(仏 la Grande-Bretagne 大ブルターニュ)と言い、北フランスの地名と同じ名称で呼んでいます。グレート・ブリテンとブルターニュ半島が同じ名前で呼ばれる事実は、英仏海峡を跨ぐ両地域がかつて共通の文化圏に属したことを示しています。

 ローマ人が勢力を広げる以前のヨーロッパには、広い地域にケルト人が住んでいました。ケルト文明はほとんどの地域において優越的なローマ文明に滅ぼされ、ケルト語もラテン語に駆逐されました。ブルターニュ半島を中心に、ヴァンデ地方、ノルマンディー地方を含む北フランスを、古くはアルモリカ(羅 ARMORICA)と呼びました。大陸におけるケルト文明とケルト語は、最後にアルモリカに残存しました。これ以外にケルト語が残存した地域は、島嶼を中心とするスコットランド北西部、アイルランド、マン島、ウェールズ、コーンウォールです。





 ケルトの装飾は、円や渦巻き、組紐文による曲線的意匠を特徴とします。この特徴は紀元一世紀に明瞭に現れ、同時代のグレコ・ロマン式装飾に見られる簡素な厳格さと鮮烈な対照を為しました。本品はブルターニュをはじめとするケルト文化圏の十字架で、フランスではクロワ・ブルトンヌ(仏 une croix bretonne ブルターニュ十字)と呼ばれています。本品をはじめとするクロワ・ブルトンヌには、他地域のケルト十字と共通する次のような特徴があります。

・交差部の直近において、縦木と横木が細くなっていること。

・交差部を中心とする円環が、縦木と横木を繋いでいること。

・縦木、横木のそれぞれが幾つかの領域あるいは画面に区切られ、曲線的装飾図形が並んでいること。

・組紐文が取り入れられていること。


 これらの特徴は本品にも明瞭に現れています。交差部直下の小画面に刻まれた巴文はトリスケル(仏 triskèle)と呼ばれ、もっともケルト的な装飾の一つです。





 上の写真は本品を男性店主の手に載せて撮影しています。女性が本品の実物をご覧になれば、写真で見るよりもひと回り大きなサイズに感じられます。







 このブルターニュ十字は 1960年代のフランスで作られたヴィンテージ品(アンティーク品)で、現在では手に入りません。十字架型ペンダントは珍しい品物ではありませんが、クロワ・ブルトンヌは稀少です。

 本品はおよそ五十年前のものですが、珍しいことに未販売の新品として残っていたために、極めて良好な保存状態です。特筆すべき問題は何もありません。





本体価格 6,800円 販売終了 SOLD

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