ジョゼット・エベール=コエファン作 「ノートル=ダム・ド・ボンテ」(優しさの聖母) 子供を祝福する聖母子のメダイユ 直径 59.2 mm 1977年


直径 59.2 mm  最大の厚さ 6.4 mm  重量 105.8 g

フランス  1977年



 フランスの女性芸術家ジョゼット・エベール=コエファン (Josette Hébert-Coëffin, 1906 - 1973) によるブロンズ製メダイユ。直径 59ミリメートル強、厚さ 6ミリメートル強という大型の作品です。105グラムを超える重量があり、手に取るとずしりとした重みを感じます。





 一方の面には聖母に抱かれる幼子イエスを浮き彫りにしています。幼子はまっすぐこちらに目を向けて、右手を挙げ、祝福の仕草をしています。

 通常の聖母子像において、幼子イエスは聖母の左腕に抱かれます。これは天上に挙げられた聖母がイエスの「右の座」(イエスから見て右側)におられることを表します。しかしながら本品は特異な構図に拠っており、イエスは聖母の左腕ではなく、右腕に抱かれています。

 イエスが聖母の右腕におられる理由は、新しく生を享けた幼子に、ご自分の場所を譲られたからです。このメダイユは新生児の誕生を祝福し、聖母の加護を願う作品であり、イエスの御母マリアが、新しく生まれ来た幼子の母でもあり給うことを表しています。幼子イエスは微笑みつつ、聖母の左腕に抱かれている子供に慈愛の眼差しを注ぎ、祝福を与えています。


 ジョゼット・エベール=コエファン Josette Hébert-Coëffin 1950年頃


 聖母の肩の後ろに、ジョゼット・エベール=コエファンのサイン (J. H. COËFFIN) があります。ジョゼット・エベール=コエファン (Josette Hébert-Coëffin, 1906 - 1973) はノルマンディー(北フランス)出身の才能豊かな女性芸術家で、丸彫り彫刻、メダイユ彫刻、陶芸と多岐に亙る分野で活躍しました。動物や子供、聖母子をテーマにした優しい作風の作品を数多く残しています。





 もう一方の面には、夜空にきらめく星々の中で、ひときわ明るく輝く星が彫られています。は「聖母マリアの象徴」、「守護天使の象徴」、「救いを得た魂の象徴」というように、多様な象徴性を有します。しかしながらここに彫られた星々は、この世に生まれ出た子供たちを指しています。

 イエスがお生まれになったとき、ひときわ明るく輝く星が出現してマギたちの目印となりました。その故事にちなみ、本品ではこの世に生まれた子供たちを輝く星々になぞらえています。ひときわ明るく輝く星は、つい今しがた生まれ出て、聖母の左腕に抱き留められた幼子です。イエスがご自分の命を捨てて救い給うほどに愛された幼子は、美しい明星によって誕生を祝福されています。





 メダイユの縁には「コルヌ・コーピアエ」(CORNU COPIAE 豊穣の角)の刻印と「ブロンズ」の文字が刻印されています。コルヌ・コーピアエはモネ・ド・パリ(la Monnaie de Paris パリ造幣局)のミント・マークです。1977年の年号から、本品がジョゼット・エベール=コエファンの没後に鋳造されたことがわかります。





 本品はおよそ四十年前に鋳造された真正のヴィンテージ品ですが、保存状態はきわめて良好です。歳月を経た物の常として少々の小キズはありますが、特筆するほどの瑕疵は何もありません。見る者を温かい気持ちにさせてくれるメダイユです。下の写真は額装例で、料金は 6,800円(額、別珍張りマット、工賃、税すべて込み)です。



 ジョゼット・エベール=コエファンによるこの作品はフランスで人気があって、パリ造幣局では現在でも小さな金製ペンダントが作られています。しかしながら本品のような大型の作品はもはや作られておらず、入手はたいへん困難です。

※ 金製ペンダント「ノートル=ダム・ド・ボンテ」(直径 2.3センチメートル、片面のみ)は、パリ造幣局が販売しています。(1ユーロ=約 140円 955ユーロ=133,700円)





38,000円 販売終了 SOLD

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