小さい花のように可愛らしいブロンズ製メダイ。19世紀中頃のフランスで製作されたたいへん古い物です。
メダイの片方の面には、同名のバシリカ に安置されている聖母子像ノートル=ダム・ド・フルヴィエール (Notre-Dame de Fourvière) を、打刻により表現しています。祈りのポーズを取るふたりの天使を従えた聖母子ノートル=ダム・ド・フルヴィエールは、母子ともに栄光の冠を戴いています。その衣は母子の一体性を強調するタイプで、豪華な刺繍に飾られています。聖母子を取り囲むように、聖母に執り成しを求める祈りの言葉がフランス語で記されています。
Notre-Dame de Fourvière, priez pour nous. ノートル=ダム・ド・フルヴィエール(フルヴィエールの聖母)よ、我らのために祈りたまえ。
もう片方の面には、ジョゼフ=ユーグ・ファビシュ (Joseph-Hugues Fabisch, 1812 - 1886) の作品であるバシリカ鐘楼上の金の聖母を、打刻により表現しています。金の聖母は球体の上に立ち、両腕を斜め下に伸ばし無原罪の御宿りとして表されています。聖母を取り囲むように、次の言葉がフランス語で記されています。
Ils m'ont établie gardienne de leur ville. われ、リヨンの守護聖女と為されたり。
本品は百数十年前に制作された真正のアンティーク品ですが、細部までよく残り、突出部分の磨滅もほとんど見られません。非常に良いコンディションです。全く異なるデザインの二面を楽しむことができ、小さな花のように可愛らしい聖母のアンティーク・ペンダントとして、日々ご愛用いただけます。