シャトーヌフ=シュル=シェール(Chateauneuf-sur-Cher サントル地域圏シェール県)にあるラ・バジリク・ノートル=ダム=デ=ザンファン(La basilique Notre-Dame-des-Enfants 子供たちの聖母)の稀少なメダイ。このバシリカの聖母像、ノートル=ダム=デ=ザンファンが 1923年8月26日に戴冠した際に鋳造されたものであろうと思われます。ノートル=ダム=デ=ザンファンは、子供、家族、教育関係者の守護聖女です。
メダイの表(おもて)面には子供たちに取り囲まれたノートル=ダム=デ=ザンファンを浮き彫りにしています。聖母は戴冠し一段高い台の上に立っていますが、頭に後光も無く、優しい仕草で子供たちを慈しんでいます。子供たちもまったく物怖(お)じせずに聖母に寄り添い、腕を伸ばしています。その光景は、メダイによく見られる戴冠して雲の上に立つ天の元后、栄光の聖母の威厳ある姿とは、如何に違っていることでしょうか。聖母と子供たちを取り囲むように、次のフランス語が書かれています。
Notre-Dame des Enfants a Chateauneuf (Cher) シェール県シャトーヌフのノートル=ダム=デ=ザンファン 子供たちの聖母
800/1000シルバーを示すフランスのホールマーク(イノシシの頭)が、上部の環に刻印されています。
裏面には聖母の象徴でもあり純潔の象徴でもある白百合が浮き彫りにされています。
このメダイは全体的に摩耗し、優しい丸みを帯びています。アンティークの銀無垢メダイが時折見せてくれるこのような表情に、私はたいへん心を惹かれます。できれば長く手許に置いておきたい品物です。