ノートル=ダム=ド=フルヴィエールがリヨンを、ノートル=ダム=ド=ラ=ガルドがマルセイユを守るように、アルジェを守るアフリカの女王、ノートル=ダム・ダフリク(アフリカの聖母)のメダイ。
表(おもて)面には、中央のメダイに、もともとノートル=ダム=ド=フルヴィエールのレプリカであるノートル=ダム・ダフリクが浮き彫りで表されています。聖母はアフリカの女王として戴冠し、女王の衣を着けて両手を広げ、アフリカに祝福を与えています。聖母の背景に散りばめられた星々と、足下に表現された雲は、アフリカの女王が天上なる勝利の聖母であることを表します。
裏面中央の円形メダイには、「ノートル=ダム・ダフリク巡礼記念」(souvenir de Notre-Dame d'Afrique) とフランス語で記されています。中央のメダイは、先端部がパルメット型になったギリシア十字の中央に配置されています。
ギリシア十字は、ノートル=ダム・ダフリクのバシリカの形でもあります。アルジェにあるノートル=ダム・ダフリクのバシリカが祝別されたのは、リヨンのノートル=ダム=ド=フルヴィエールの建設が始まったのと同じ
1872年です。これはマルセイユのノートル=ダム=ド=ラ=ガルドが祝別された二年後にあたります。互いに関係の深い三箇所の聖堂が、時期を同じくして建設されたことがわかります。
本品は古いメダイですが、突出部分を含めて摩耗は見当たらず、細部までよく残っています。たいへん良好なコンディションです。