17世紀イタリアの画家、カルロ・ドルチ (Carlo Dolci, 1616 - 1686) に因む作品を両面に浮き彫りにしたアート・メダル。一方の面には「親指の聖母」(Madonna del dito) の愛称で知られる悲しみの聖母像が浮き彫りにされています。聖母はヴェールを深く被り、目を下に向けて、ひとり悲しみに耐えています。
Carlo Dolci, Madonna del dito
もう一方の面には「オルガンを奏でる聖セシリア」が浮き彫りにされています。カルロ・ドルチはこの画題の作品を複数製作していますが、このメダイに表現されたのはドレスデンにある
1671年の作品です。端正な横顔を見せてオルガンを演奏する聖女の傍らには、純潔を表す白百合が描かれています。
(下) Carlo Dolci, St Cecilia at the Organ, 1671, oil on canvas, 96,5 x 81 cm, Gemäldegalerie, Dresden
このメダイには軽度の摩耗が見られますが、細部はよく残っています。百年近く前のものとしては、十分に良いコンディションです。