稀少な金色メダイ 「海の聖マリアよ、我らのために祈りたまえ」 直径 20.4 mm


突出部分を除く直径 20.4 mm

フランス  1920 - 30年代



 帆も舵も無い小舟に乗り、パレスティナを脱出してカマルグに上陸したふたりの聖マリア(マリア・ヤコベとマリア・サロメ)のメダイ。小舟には上記のふたりに加えてマグダラのマリアも乗っていましたが、他に同乗していた聖人たちの名前と人数は伝承によって異なります。





 メダイの表(おもて)面には櫂を手にする天使に加え、三人の人物が浮き彫りにされています。真中に立っているのがマリア・ヤコベとマリア・サロメ、向かって左端の小柄な人物が聖女たちに仕える少女サラであると思われます。雲間から射す光は、聖女たちによってプロヴァンスにもたらされる神の恩寵、キリストの福音を表しています。

 メダイに彫られた聖女たちの姿はいずれも美しく均整が取れており、胸のふくらみや腰のくびれ、丸みを帯びてしなやかな体つきはあくまでも女性らしく、上衣の刺繍、マントの留め金と刺繍、女性らしくほっそりとした手指等の細部まで巧みに表現されています。聖女たちの顔のサイズは直径 1ミリメートルあまりに過ぎませんが、よく整った顔立ちには優しく穏やかな表情が浮かんでおり、メダイを制作した彫刻家の優れた技量がよくわかります。聖女たちの周りには、フランス語で次の言葉が刻まれています。

  Saintes Maries, priez pour nous.  ふたりの聖マリアよ、我らのために祈りたまえ。

 フランスのメダイユ工房のマークが上部の環に刻印されています。





 メダイの裏面には聖女たちの聖遺物が見つかった聖堂、サント=マリ=ド=ラ=メール (Saintes-Maries-de-la-Mer) が見事な浮き彫りで再現されています。石材のひとつひとつまで克明に写した精緻な浮き彫りは、実際の聖堂を目前にするかのような描写力です。浮き彫りを囲むように、フランス語で「サント=マリ(ふたりの聖マリア)のバシリカ」(Basilique des Saintes-Maries) と刻まれています。


 この作品は「サント・マリ」(カマルグの二人のマリア)を刻んだメダイのなかでも最も美しく、何通りかのサイズで制作されていますが、いずれもなかなか手に入りません。カマルグの「サント・マリ・ド・ラ・メール」はルルドのような大巡礼地ではないので、この聖地のメダイそのものが稀少なのです。なかでも金色のものはきわめて少なく、私自身初めて入手しました。

 本品は数十年前のフランスで制作された真正のヴィンテージ品ですが、古い年代にもかかわらず制作当時のままの良好な保存状態です。特筆すべき問題は何もありません。





本体価格 15,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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