リュドヴィク・ペナン、ジャン・バティスト・ポンセ作

稀少大型メダイ 聖マグダレーナよ、我らのために祈りたまえ 直径 25.8 mm


突出部分を除く直径 25.8 mm

フランス  19世紀末から20世紀初頭



 顔を斜め上に向けて天を仰ぐマグダラのマリアのメダイ。百数十年前にフランスで制作されたもので、祈りの言葉にラテン語を使うなど、古い特徴を残しています。本品はマグダラのマリアをテーマにしたメダイの中でも際立って大きく、500円硬貨とほぼ同じサイズと重さがあります。

 本品に彫られたマリアは裸ですが、豊かな髪がほどかれて、かつて男性に人気のあった聖女の体を隠しています。美しい女性として描かれたマリアは、肉感的な頬や唇のみならず、髪に覆われて見えない項(うなじ)や肩の女性らしい丸みに至るまで、あたかも生身の聖女が眼前にいるかのように完璧に再現されています。聖女はキリストに捧げるナルドの香油を前に置き、いまはただ天上にのみ心を向けて祈っています。





 メダイの縁近く、壺のあたりに、"PENIN PONCET" の文字が刻印されており、本品の浮き彫りが、いずれもリヨンのメダイ彫刻家であるリュドヴィク・ペナン (Ludovic Penin, 1830 - 1868) と、ジャン・バティスト・ポンセ (Jean-Baptiste Poncet, 1827 - 1901) の作品であることが分かります。卓越した才能の持ち主であるにもかかわらず、惜しくも夭逝したメダイユ彫刻家リュドヴィク・ペナンの作品は、19世紀が終わりに近づく頃、同郷の芸術家ジャン・バティスト・ポンセの手によって現代風(すなわち19世紀末風)の典雅さが加えられて、数々の美麗なメダイとなりました。本品もそのような作品の一つです。

 聖女に執り成しを願う祈りが、周囲にラテン語で記されています。

  SANCTA MAGDALENA, ORA PRO NOBIS.  聖マグダレーナよ、我らのために祈りたまえ。





 本品はいずれの面も真正のアンティーク品ならではの美しいパティナ(古色)で均一に被われています。古い制作年代にもかかわらず、摩耗はほとんど見られません。その他の点でも特筆すべき問題はありません。

 マグダラのマリアは人気のある聖女ですが、ルルドのメダイや不思議のメダイに比べると、メダイの数はすっと少なくなります。リュドヴィク・ペナンとジャン・バティスト・ポンセによる本作も、小型のメダイはときどき手に入りますが、このように大きなサイズのものは珍しく、数年に一度しか見つかりません。





本体価格 18,800円 販売終了 SOLD

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