稀少・高級品 プロヴァンスの山中で恩寵の光を受ける聖マドレーヌ 美麗銀無垢メダイ 直径 20.4 mm


突出部分を除く直径 20.4 mm  重量 3.6 g

フランス  1910 - 20年代



 信心具に使われる最高級の素材、800シルバー(純度 800/1000の銀)を使用し、およそ百年前のフランスで制作された美麗な高級メダイ。銀無垢メダイとしては大きめのサイズで、フランスにおいて800シルバーを示す「イノシシの頭」のホールマーク(貴金属の純度のマーク)、及びフランスの銀製品工房のマークが、上部の環に刻印されています。

 銀は重い金属です。鉄の比重は 7.86、銅の比重は 8.93、ニッケルの比重は 8.90ですが、銀の単体(純銀)の比重は 10.50とかなり大きく、鉛の比重(11.34)とあまり違いません。本品は銀の単体ではなく 800シルバーでできていますが、銀めっきをかけたブロンズ製メダイに比べて意外な重さがあり、手に取ると心地よい重みを感じます。本品の直径は一円硬貨と同じ 20ミリメートルですが、重量は 3.6グラムで、これは一円硬貨の 3.6倍に相当します。





 本品においてマグダラのマリアは粗衣を着、髪も無造作に伸ばしていますが、多くの男性たちを虜にした魅力に変わりは無く、美しく整った横顔を見せています。マリアの前には粗末な十字架、開かれた祈祷書、人生の儚さを表す頭蓋骨が置かれています。マリアの前方からは恩寵の光が降り注いでいます。マリアの後方、右側の背景に、マリアの住処となったラ・サント・ボーム(la Sainte Baume プロヴァンスのフランス語で「聖なる洞窟」)の出入り口らしきものが見えています。その下にメダイユ彫刻家のサインがあります。

 本品の浮き彫り彫刻は悔悛の聖女を彫った作品ですが、画面に暗さはありません。マグダラのマリアにヴェールを被らせず、女性的魅力を誇示するような長く美しい髪を描くのは、この聖女の伝統的図像表現です。これに加えて、マリアが天を仰ぐ表情、胸の前に手を合わせる仕草も、まるでどこにでもいるフランスのお嬢さんが天性のコケットリーを発揮しているかのように、明るく可愛らしい描写となっています。

 このような描写を、見た目の美しさに迎合して軽薄だと批判する人もいるでしょう。しかしながら筆者(広川)は、この愛らしいマリアを、若い女性が神を思慕するありのままの姿を描いた図像として、むしろ高く評価したいと思います。われわれはさまざまな時代、地域、民族、性別に生まれ、さまざまな年齢や社会的地位を経験しますが、生活様式や心の持ちようが異なれば、信仰の在り方も多様であって良いはずです。





 メダイの裏面には三輪の百合が彫られています。純潔を象徴する百合は、悔悛の娼婦とされるマグダラのマリアにふさわしい花です。

 このメダイは1910 - 20年代頃のフランスで制作された真正のアンティーク品です。浮き彫りの突出部分にごく軽い磨滅がある程度で、古い年代の割にたいへん良好な保存状態です。





本体価格 22,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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