稀少品 エチエンヌ・ヴィクトル・エクスブライヤ作 「聖クリストフ」 枠付メダイ 22.7 x 18.8 mm
突出部分を含むサイズ 縦 22.7 x 横 18.8 mm
フランス 20世紀初頭
幼子イエスを肩に乗せる聖クリストフのメダイ。
筋骨隆々とした大男クリストフは、小さな男の子を肩に乗せ、深い川を渡っています。水が烈しく波を打ち、クリストフの衣の衣を剥ぎ取ろうとしていますが、超人的な力の持ち主クリストフは立木を引き抜いた杖を手に、激しい流れをものともせずに川の中ほどまで渡ってきています。しかしながら肩に乗せた幼い子供があまりにも重くなったので、不審な面持ちで男の子を見上げています。
男の子はいつの間にか眩(まばゆ)い光を放ち、左手には「世界球」を持っています。「世界球」とは球体の上に十字架を立てたもので、ラテン語では「グロブス・クルーキゲル」(GLOBUS
CRUCIGER 「十字架付球体」の意)といいます。「世界球」は天地の支配権を表します。左手に「世界球」を持った幼子は、天上を指さし、自らが天地の作り主、神なる救世主であることを宣言しています。
浮き彫りの右下、メダイの縁に近いところに、20世紀初頭のフランスで活躍したメダイユ彫刻家、エチエンヌ・ヴィクトル・エクスブライヤ (Étienne
Victor Exbrayat, 1879 - 1914) の署名 (EXBRAYAT) が刻印されています。エクスブライヤはユベール・ポンカルム
(Hubert Ponscarme, 1827 - 1903) 及びガブリエル=ジュール・トマ (Gabriel-Jules Thomas,
1824 - 1905) に師事しました。ユベール・ポンカルムの他の門下生にはオスカル・ロティ、アレクサンドル・シャルパンティエ、オヴィド・ヤンセス等がいます。1904年からサロンに出展し、初出展の翌 1905年には選外佳作 (mention honorable)、1911年には三等の高評価を得ています。下に示したのはエクスブライヤによる他の作品です。これを見ても分かるように、エクスブライヤはたいへん才能豊かなメダイユ彫刻家でしたが、惜しくも
1914年に戦死しました。
(下・参考画像) エクスブライヤによるメダイユ
1901年
制作年不明
1913年
制作年不明
「守護天使のメダイユ」 当店の販売済み商品
1. 飛行機 2. 熱気球 3. 飛行船 4. 船 5. 汽車と列車 6. カヌー 7. 山登り 8. 自転車 9. 自動車 |
飛行機は単葉機です。フランスではレオン・ルヴァヴァスール (Léon Levavasseur, 1863 - 1922) が 1908年に単葉機の製作に成功しました。自動車の運転席は室外にありますが、これは概(おおむ)ね
1910年よりも以前の形式です。したがってこの浮き彫りは 1910年頃の作品であることがわかります。メダイの表裏の浮き彫りを異なる彫刻家が担当する場合がありますが、本品はおそらく表裏ともエチエンヌ・ヴィクトル・エクスブライヤの手によります。
聖クリストフのメダイ裏面に乗り物が描かれるのは珍しいことではありませんが、乗り物の種類は自動車のみ、あるいは自動車に汽車と飛行機を加えた三種類くらいが普通です。本品のように九種類もの乗り物あるいはスポーツが描かれた例は、私自身初めて目にしました。
エクスブライヤは才能あるメダイユ彫刻家でしたが、35歳の若さで戦死を遂げたために、残念ながら作品数は多くありません。そのためエクスブライヤが制作した信心具のメダイは入手がたいへん困難な稀少品となっています。
本品は百年の祈りを吸い込んで突出部分が磨滅しています。特に商品写真は瑕疵(かし 欠点)をできるだけ強調して撮影し、また数十倍の面積に拡大しているために、突出部分の磨滅が目立ちます。しかしながら肉眼で見る実物は写真よりもずっと美しく、強度の近視でない限り、ほとんどの人は磨滅に気付きません。ご来店が可能な方は、店頭にて実物の美しさをお確かめください。
本体価格 8,400円 販売終了 SOLD
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
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