ルルドにおいて聖母の出現を受けた女性、聖ベルナデット (Ste. Bernadette, 1844 - 1879) のメダイ。表(おもて)面に聖ベルナデット、裏面に聖母出現のシーンを刻んでいます。
表(おもて)面の聖ベルナデットは修道女として表され、ロザリオを持つ手を合わせて、あたかもいま聖母の出現を受けているかのように、そのまなざしを斜め上方へと向けて祈っています。聖女を取り囲むように、ターコイズ・ブルー(トルコ石の青色)の不透明ガラスでエマイユ(七宝)が施されています。メダイの金属部分が金色であるために、青いエマイユとの組み合わせが華やかな効果を生み出します。
ルルドのメダイは数多くの種類がありますが、表(おもて)面に聖母の横顔をあしらったものがほとんどで、聖ベルナデットを主なテーマとしたメダイは稀少です。特にエマイユを施した聖ベルナデットのメダイは、私もこれしか見たことがありません。
裏面は 1858年にマサビエルの洞窟においてルルドの聖母が出現したときの様子を浮き彫りにしています。ルルドの聖母と、その前に跪く当時14歳の少女ベルナデットを前景に表し、遠景には
1876年に建てられたバシリカをあしらいます。
このメダイはおよそ 60年前のものですが、新品当時とほとんど違わない非常に良好なコンディションです。