小さな高級品 驚異的な細密彫刻によるラファエロの天使 完全な保存状態の銀無垢メダイ 直径 13.4 mm
突出部分を除く直径 13.4 mm
フランス 1920年代
ラファエロの名画、「サン・シストの聖母(システィナの聖母)」の画面下方に描かれたふたりのプッティのうち、向かって左側のプットを浮き彫りにした愛らしいメダイ。
ラファエロの原画では中心に聖母子が描かれ、向かって左側に3世紀の初代ランス司教聖シクストゥス (St. Sixte de Reims)、 右側に3世紀の殉教聖女聖バルバラを描きます。ふたりのプッティは画面の最下部に描き加えられていて、左側のプットは肘をついて顎を掌に載せ、右側のプットは重ねて置いた手に顎を載せ、いずれも頭上の聖母子を退屈そうに眺める姿はたいへんユーモラスで可愛らしく、微笑みを誘います。
(下) Raffaelo Sanzio, "Madonna Sistina", 1512 - 14, Öl auf Leinwand, 265 x 196
cm, Gemäldegalerie Alte Meister, Dresden
「サン・シストの聖母」は38歳の若さで亡くなったラファエロが、自らの手で仕上げた最後の聖母子像です。1754年以来ずっとドレスデンにあり、第二次世界大戦当時はヒトラーの命により地下室に保管されていたために、連合軍のドレスデン空襲による破壊を免れました。第二次世界大戦後、いったんモスクワに運ばれましたが、その後ドレスデンに返却され、現在に至っています。
メダイに取り上げられているのは向かって左側のプットで、背中の左側(向かって右側)に翼が、手前と両側に雲が加えられています。メダイユ彫刻においては丸彫り像とは異なって、作品の空間的な立体性、あるいは高低差はごくわずかです。本品の浮き彫りは厚みがあって立体的ですが、それでも背景との高さの差はせいぜい
1ミリメートルです。また絵画と異なって、色(色相、明度、彩度)の変化によって立体性を表現することもできません。それにもかかわらずこの作品では、プットの幼児らしく丸々とした体形と天真爛漫な表情が、たいへん活き活きと表現されています。
プットの顔の直径はおよそ 3ミリメートルに過ぎませんが、ラファエロの原画と比べると、プットの目は大きく、表情はより一層明るく見えます。ラファエロのプットは真上を見上げていますが、本品に彫られたプットは大きな目を見開いて斜め上を見上げ、口許からは嬉しそうな笑みがこぼれています。実物を手に取っていただければわかりますが、背景に対する翼の盛り上がりは、指先で触っても感知できないほど僅かです。彫刻家の署名は刻まれていませんが、優れた芸術的才能と職人的技巧の持ち主であったことがよく分かります。
フランスにおいて 800シルバーを表す「蟹」のポワンソン(ホールマーク 貴金属の純度を示す印)、及びフランスの銀製品工房のマークが、上部の環に刻印されています。
メダイの裏面には、ふたりのプッティ、三羽の燕(つばめ)、三つの鐘が雲の間に刻まれています。春の訪れを告げる燕は、このメダイにおいて、新しい生命の誕生、あるいは物事の始まりを祝い、鳴り響く鐘に合わせて喜びの歌を歌っています。燕たちは良い知らせをいち早く届けようと、遠くを目指して飛び立っています。
メダイユ彫刻が発達したフランスでは、驚異的なまでに細密な浮き彫り作品が生み出されることがあります。このメダイもそのようなもののひとつです。上の写真に写っている定規のひと目盛は、1ミリメートルです。プッティの顔の直径や燕の体長を定規の目盛と比べると、美しい意匠を創作したメダイユ彫刻家の芸術的才能と共に、人間離れした職人的技巧がよくわかります。
800シルバーは信心具に使われる最も高級な素材であり、本品のような銀無垢メダイは特別な機会に購入された品物です。本品は百年近く前のフランスで制作されたものであり、第二次世界大戦を潜り抜けているはずですが、このメダイは非常に大切に保管されていたために、制作当時のままの状態で残っています。古い年代にもかかわらず、突出部分にも磨滅はまったく認められず、これ以上は望み得ない完全な保存状態です。
16,800円 販売終了 SOLD
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