歳若いマリアの横顔をあしらったゆりかご用メダイ。象牙色のオールド・プラスティック製台座に、金属製のメダイを嵌め込んであります。プラスティック製台座は厚さ
5.8ミリメートルの立派なものですが、
大胆な切れ込みによって植物を思わせるデザインが施され、明るいアイボリー・カラーと相俟(あいま)って軽やかな印象を与えます。
表(おもて)面中央の金属製メダイは打ち出し細工で製作されています。若き聖母は、柔和でありながらも芯の強さを感じさせる端正な横顔を見せて、しっかりと前を見ています。それは、あたかもマリア自身が母であるかのようにゆりかごに眠る幼子を見守る表情であり、神ご自身が幼子を守り給うという信仰の表われ、ゆりかごに眠る幼子がこれから歩んでゆく人生へ希望の表われでもあります。
メダイの縁、聖母の肩のすぐ後ろに、彫刻家レモン・チュダン (Raymond Tschudin) のサインが刻まれています。レモン・チュダンは
1916年に生まれました。高名なメダイ彫刻家アンリ・ドロプシ (Henri Dropsy, 1885 - 1969) に師事して頭角を現し、1945年のローマ賞を受賞しました。宗教をはじめとする様々なテーマの優れた作品を数多く生み出した彫刻家として知られています。
このメダイはおよそ70年も前のものであるにもかかわらず、 金属部分、プラスティック部分とも破損等の問題はありません。たいへん良好なコンディションです。