アンシアン・レジーム期に製作されたフランスの大型メダイ。ブロンズ製で、最大 6.0ミリメートルの厚み、27.3グラムの重量があり、手に取るとずしりとした重量感があります。フランス革命以来、王政、帝政、共和政が目まぐるしく交替し、幾多の戦争と内乱、革命を経験したフランスにあって、突出部分の磨滅は、このメダイが二百年に亙(わた)り、敬虔な祈りを呼吸してきた証しといえましょう。
信心の証しである磨滅と、数あるメダイのなかでもとりわけ大きなサイズ、立体的な浮き彫りが相俟(あいま)って、キリストと聖母が眼前におられるかのようにさえ感じます。