精緻な浮き彫りを施した美術品水準のメダイ。
表(おもて)面にはピウス 12世の肖像をあしらい、周囲にラテン語で次の言葉を刻んでいます。
PIVS XII ROMANVS PONTIFEX MAXIMUS ローマ教皇ピウス12世
教皇の横顔は、 あたかもメダイから飛び出しそうに感じられるほどの素晴らしいできばえで、肖像の下にはラテン語風の表記でメダイ彫刻家ミストルッツィ (MISTRVZZI) の名前が刻まれています。
裏面には聖なる扉 (PORTA SANCTA) をあしらいます。聖なる扉はローマに四箇所ある「総大主教のバシリカ」 (the patriarchal
basilicas) のそれぞれにあって、概ね 50年に一度の聖年にのみ開かれます。このメダイの裏面に表されているのはサン・ピエトロの聖なる扉で、「1950年の聖年に」(ANNO IVBILAEI MCML)
との言葉がラテン語で書き添えられています。またヨハネによる福音書 10章9節にあるイエズスの次の言葉が、扉を取り囲むようにラテン語で刻まれています。
EGO SVM OSTIVM. PER ME SI QVIS INTROIERIT, SALVABITUR. わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。
メダイのコンディションは良好です。両面ともたいへん写実的で精緻な浮き彫りをあしらった工芸品に仕上がっています。