稀少品 教皇レオ十三世 叙階五十周年記念メダイユ 二色のブロンズを打刻したクラシカルな作例 直径 22.0 mm イタリア 1888年


突出部分を除く直径 22.0 mm

イタリア  1888年



 レオ十三世(LEO XIII, 1810 - 1878 - 1903)はカトリック教会と近代社会の融和に尽くした教皇として知られています。前任者のピウス九世(PIUS IX, 1792 - 1846 - 1878)は頑なな保守主義者で、近代思想のすべてを拒否し、カトリック教会と一般社会の断絶を深めましたが、レオ十三世は労働運動をはじめとする一般社会の動きに一定の理解を示し、カトリック教会の近代化に寄与しました。聖母を篤く崇敬し、ロザリオの祈りを常に勧めたことでも知られています。





 本品は 1888年にイタリアで制作された品物で、円環状のブロンズの内側に、銀めっきを施した円盤状のブロンズを置き、スクリュー・プレスの力で打刻しています。完成で回転するスクリュー・プレスの巨大な力は金属の表面に図像を打刻し、それと同時に二枚のブロンズ製部材を固く接合しています。

 上部の環は二十世紀のメダイに比べて長く突出し、九十度捩じられています。これは十九世紀以前のメダイに一般的な形態です。イタリアで作られたメダイは、フランス聖のものよりも後の時代までこの形態を保持しました。本品はイタリア製ですので、1888年という遅い時期になっても古い特徴を留めています。





 メダイの中央に教皇の横顔を刻み、環状の周囲にイタリア語で「教皇レオーネ十三世 ローマ」(Leone XIII Pontifice Massimo, Roma)と記しています。ラテン語「レオー」(LEO)、イタリア語「レオーネ」(Leone)はいずれも「獅子」(ライオン)のことです。フランス語では「レオン」(Léon)、スペイン語では「レオン」(León)です。

 メダイ中央の円形部分はもともと施されていた銀メッキが剥落して、温かみのあるブロンズの色が露出し、美しい古色となっています。





 もう片方の面には天上に輝く十字架を浮き彫りにしています。十字架を乗せた雲のすぐ下には、「アンヌス・ミル・オクティンゲンティー・オクトーギンター・オクトー」(ANNUS MDCCCLXXXVIII 千八百八十八年)の年号が、ラテン語とローマ数字で刻まれています。





 外側の環状部分には、「サケルドーティオー・レオーニス・テルティイー・デキミー、ポンティフェキース・マクシミー、クイーンクアーゲーシムス・アンヌス」(SACERDOTIO LEONIS XIII, PONTIFECIS MAXIMI, QUINQUAGESIMUS ANNUS 教皇レオ十三世の叙階 第五十年)とラテン語で刻まれています。

 教皇レオ十三世は俗名をジョアッキノ・ヴィンチェンツォ・ペッチ(Vincenzo Gioacchino Raffaele Luigi Pecci)といい、1837年12月31日に司祭(神父)になりました。「叙階」(じょかい)とは、司祭に任じることを指します。本品はレオ十三世すなわちペッチ師が司祭となって五十年の節目を記念するメダイであることがわかります。





 本品はおよそ百三十年前にイタリアで製作された品物で、真正のアンティーク品ならではの美しい古色に被われています。保存状態は極めて良好で、特筆すべき問題はありません。十九世紀後半の品物でありながら、古い様式で作られているせいで、近世のメダイを思わせる古典的な雰囲気に仕上がっています。





本体価格 9,500円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




ローマ教皇のメダイ 商品種別表示インデックスに戻る

天使と諸聖人のメダイ 一覧表示インデックスに戻る


メダイ 商品種別表示インデックスに移動する


キリスト教関連品 商品種別表示インデックスに移動する



アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する




Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS