信仰と希望と愛 枢要徳のフランス製ブローチ 32.2 x 25.2 mm


フランス  20世紀前半



 イタヤガイ科の貝殻をモティーフにし、その内側に十字架、錨(いかり)、心臓(ハート)を配したアンティーク・ブローチ。1910年代から30年代頃にフランスで制作されたもので、ブロンズに銀めっきを施してあります。

 十字架・錨・心臓は、信仰・希望・愛を、それぞれ象徴的に表しています。十字架が信仰の象徴であることは、説明不要でしょう。錨が希望を象徴するのは、下に示した「ヘブライ人への手紙」6章 19節の聖句によります。

 わたしたちが持っているこの希望は、魂にとって頼りになる、安定した錨のようなものであり、また、至聖所の垂れ幕の内側に入って行くものなのです。 (新共同訳)

 「錨」は「魚」や「善き羊飼い」と並んで、初期キリスト教徒に最も愛用された象徴的図像のひとつです。下の写真はローマの聖セバスティアヌスのカタコンベに見られるキリスト教徒の線刻で、墓碑銘 (ATIMETVS AVG VERN VIXIT ANNIS VIII MENSIBVS III EARINVS ET POTENS FILIO) の左に錨、右に魚を刻んでいます。ちなみに魚はキリストの象徴ですが、これは「イエズス・キリスト、神の子、救い主」というギリシア語のフレーズにおいて、各単語の頭文字を並べると、「魚」(イクテュス)という単語ができることによります。




 愛が心臓形(ハート形)で表されるのは、かつて魂が心臓に宿ると考えられていたからです。信仰と希望と愛はキリスト教における三つの枢要徳であり、いずれも大切な徳目ですが、この中で最も大切なのは愛です。愛が有するこの重要性ゆえに、本品においても心臓は最も目立つ手前の位置に配され、強調されています。使徒パウロは「コリントの信徒への手紙一」13章 13節において、次のように書いています。

 信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。 (新共同訳)


 このブローチは 80年以上前に制作された真正のアンティーク品ですが、突出部分の銀めっきが部分的に剥がれている程度で、たいへん良いコンディションです。ブローチとしての機能にも問題はありません。日々ご愛用いただけます。





本体価格 12,800円 販売終了 SOLD

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