宣教に関するアンティーク小聖画
images anciennes de la propagation de la foi


 東洋の国々をはじめ、非キリスト教圏への宣教のために製作された小聖画。





 東京帝国大学出身の美術史家、矢代幸雄氏(1890 - 1975)は、「日本美術の特質」第二版(1965年)の冒頭で、美術の本質はその世界性であるとし、「人間の心も自然の相も、その原則において世界に共通するが故に、両者の相関により生れる美術も、その本質ならびに原則において世界に共通する人類的現象なるは、当然である。」とする一方、これに続いて次のように述べています。

      しかるに美術の表現は民族的、国民的である。その表現に厳然たる国民性の根拠を持たず、民族的特色を発揮せざる時、美術は単に人間の血の通わぬ抽象形式に陥って、人心を感動せしむる実力を失う。美術の本質がたとえ世界性を含み人類的なりといえども、それなるが故に漠然たる世界共通の美術というものが存在する能わざること、ちょうど人間が世界的理想に動こうとも、漠然たる世界人というものがないのと同然である。人間性そのものは世界共通であろうとも ― そしてその共通性は生活の世界化とともにますます顕著になって行くけれども ― 人間は依然として土地風土に即し、民族的遺伝、歴史、習慣および文化的伝統に即して生活を営んで行く。自然原則の支配は宇宙に一様ではあるが、人間生活を取囲む天空の色、日の光、温度、雲煙、山川、草木、大地のたたずまい等々は、各地において異ならざるを得ない。それ故に、本質の世界性は民族的、国土的、ないし国民的表現によりて具象化されて、美術となり得るのである。美術は民族的表現に徹してこそ、はじめてその根柢を支配する世界性に滲透し到達することができる。
    矢代幸雄 「日本美術の特質」第二版 第一編 第一章 美術の世界性と民族性

 公同の教会(希 ἡ καθολική ἐκκλησία 羅 ecclesia catholica)の「公同」(カトリコス、カトリケー)とは、カタ(κατά )とホロス(ὅλος)の合成語であって、「全地の、全ての地域の」という意味です。しかるに神が唯一神であり、公同の教会が一つであっても、宗教的図像表現が世界各地で人々の琴線に触れようとすれば、その表現は自ずから地域性、民族性を帯びざるを得ません。そのような意味で、公同の教会に関係する民族色豊かな聖画には、矢代氏が論じる美術の本質が卓越的に表れています。


【日本】




【中国】

 「ノートル=ダム・ド・シヌ 中国の聖母」 子供宣教会のヴィンテージ小聖画 フランス 1930年代 販売終了 SOLD

 リュック・チェン画 「ノートル=ダム・ド・ラ・メール」 海の聖母よ、すべての人を港へと導きたまえ。 フランス 1930年頃 販売終了 SOLD

 モニク・リウ画 「嵐に遭うとき、海の星を見てマリアに祈れ」 聖ベルナールによるおとめなる御母への讃美 宣教の祈りの小聖画 フランス 1930年代頃 販売終了 SOLD

 気品ある彫刻のコロタイプ小聖画 《レーギーナ・パーキス 平和の元后 中国を聖処女に捧ぐ》 上海フランス租界 イエズス会土山湾孤児院 66 x 110 mm 1930年代 販売終了 SOLD


【インド】

 スオル・ソラギ画 「すべての恩寵の仲介者なるマリア」 アジア宣教の小聖画 フランス 1930年頃





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