20世紀中葉のものと思われるソヴガルド。十字架を突き立てられ、茨の冠に囲まれて血を流すキリストの聖心は、愛の炎を噴き上げ、光り輝いています。聖心を取り囲むように、次の言葉がフランス語で記されています。
Arrête! Le Coeur de Jésus est là. Que Votre règne arrive! 止まれ!此処にイエズスの聖心あり。御国(みくに)の来たらんことを!
聖心の左右に「パリ、シャステル」(Chastel, Paris) の工房名が記されています。
聖心が刷られた部分は別の布の上に重ねられ、小花を象(かたど)った九つの刺繍によって下の布に縫い付けられ、この二枚がさらにもう一枚の布に重ね合わされています。このソヴガルドは、聖心を刷ったシャステル製の布を用いて、修道女が手作りしたものであろうと思われます。刺繍はひとつひとつ丁寧な手作業で施されています。花の直径は6ミリメートル、花弁の直径は2ミリメートルしかありませんが、どの花も可愛らしく整った形に仕上がっています。三枚の布には、丁寧な波状の切れ込みが、手間をいとわず入れてあります。
このソヴガルドは数十年前に作られた真正のヴィンテージ品ですが、特筆すべき問題の無い良好な保存状態です。上部のリボンはすり切れて、途中で切断されていますが、ソヴガルド本体はまったく傷んでいません。リボンを外に出した状態で、祈祷書か何かに挟み込まれていたのかもしれません。
下の写真は本品を額装した例です。この額装の料金は 4,800円(額、ベルベット代、工賃、税すべて込み)、ソヴガルドとの合計は 12,600円となります。額の種類、ベルベットの色(黒、紺、ダークグリーン他)とも、変更できます。