ブロバ 愛らしい彫金細工の宝飾時計 23石

ムーヴメント: Bulova cal. 5AT


14カラット金無垢ケース

ダイヤモンド

白色文字盤に銀色の立体インデックス


1960年代



 小さなアメ玉のような半球形デザインが愛らしい時計。電池ではなく、ぜんまいで動く「機械式時計」です。14カラット・ゴールド(十四金)無垢ケースにダイヤモンドをあしらった宝飾時計ですが、日常使いやすいデザインゆえに、他のダイヤモンド入り宝飾時計よりもはるかに多くの場面で活躍してくれます。

 時計のサイズは硬貨よりも小さく、文字盤の直径はおよそ1センチメートル、ケースの直径は1.7センチメートルしかありません。このように小さなサイズは、20世紀中頃の女性用時計の特徴です。





 愛らしい半球形デザインと並んで珍しいのはベゼルの色です。ベゼルとはケースの表側、文字盤と取り囲む部分のことです。金無垢時計のケースあるいはベゼルの色といえば、普通はイエロー・ゴールド、ホワイト・ゴールド、ピンク・ゴールドのうちいずれか一色ですが、本品のベゼルは黄色、白、ピンクが微妙に混じり合っています。

 ベゼルの彫金細工も複雑で、繊細なギョーシェ彫りをアレンジしたものです。すなわち文字盤から放たれる微光のように放射状の線刻を施し、その上から四段に亙って直径約1ミリメートルのクロスハッチを重ねています。その結果小さな水玉のように可愛らしい模様が、ベゼル全体に百個以上散りばめられています。この彫金細工はすべて丁寧な手作業で行われています。





 現代の高級宝飾時計のケースは制作が容易な光沢仕上げばかりです。このように手の込んだ細工は、時計が現在とは比較にならないほど高価であった時代のヴィンテージ・ウォッチならではです。たとえば本品のようなダイヤモンド入り金無垢時計の場合、1960年代当時は初任給の6カ月分程度、現在の貨幣価値に換算すれば百万円近い価格であったはずです。

 ダイヤモンドはこの時代のシングル・カットです。小さなメレ・ダイヤモンドですので拡大写真を撮りませんでしたが、高倍率ルーペで拡大しても欠損等の瑕疵(かし 欠点)は見つかりません。ブロバ社は自社の製品に時計用ではなくジュエリー用のダイヤモンドを使うことで知られていますが、小さなダイヤモンドにも手を抜いていません。


 文字盤は白で、銀色の立体インデックスが取り付けられています。文字盤には「ブロバ 23石」(BULOVA 23) と書かれています。 クリスタル(風防)の内側にはカットが入っています。





 文字盤に書かれている数字「23」は、ムーヴメント(時計内部の機械)に使われているルビーの数を表します。ルビーはコランダムという鉱物で、非常に硬いので、昔の時計は摩耗すると困る部品にルビーを使っていました。時計内部のルビーに関する詳しい解説は、こちらをご覧ください。

 この時計に搭載されているのはブロバ社が誇る23石手巻ムーヴメント「キャリバー 5AT」です。ルビーが23個使われているということは、実用的な意味のある全ての箇所に残らずルビーが入っていることを示します。17石以上のムーヴメントが「ハイ・ジュエル」(high-jewel) と呼ばれますが、23石ムーヴメントは「ハイ・ジュエル中のハイ・ジュエル」」ということができます。




 写真に写っているように、ブロバ「キャリバー 5AT」は天符のみならず三番車、四番車、ガンギ車にも耐震装置を装備しています。一生ものとして使えるように、ブロバ社が総力を結集し、万全を尽くした時計といえるでしょう。

 耐震装置が装備された1960年代の時計は、精度、使いやすさとも、現在の機械式時計と同じです。機械式時計の技術は1950年代後半頃に完成の域に達していて、いま制作されている機械式時計とまったく同等の水準にあります。


 アンティーク(ヴィンテージ)時計にもともと付いているバンドは、元の所有者が自分に合ったサイズ、素材、色、デザインのものを取り付けて、それがそのまま残っているだけのことです。バンドは消耗品ですし、時計メーカーはバンドまで作っていないので、「オリジナルのバンド」にこだわる必要はまったくありません。

 この時計を手に入れたときは金属製バンドが付いていましたが、宝飾時計に金属製バンドを合わせるのは高級感が損なわれるので、ドレッシーなコードパンドに変更しました。オーソドックスなコードバンドの色は黒ですが、ネイビー、グリーン、バーガンディ等に変更可能です。

 本品は「センター・ラグ」式、つまりバンドを取り付ける「ラグ」と呼ばれる突起が時計の12時側と6時側にひとつづつある方式ですが、下の写真では「センター・ラグ」式の時計用に作られた当時の革バンドを取り付けてみました。








 バンドは同じ物を壊れるまで使い切る必要は無く、ときどき取り替えると時計全体の雰囲気ががらりと変わり、何通りもの楽しみかたができます。バンドにつきましては、こちらをご覧くださいませ。


 ブロバ社の箱を付けました。アール・デコ様式のデザインで、真珠あるいは模造真珠のつまみが付いています。色等がお気に召さなければ、ブロバ社の他の箱に交換できます。








(下) 当店にあるブロバ社の箱の一部




 宝飾時計は使用するシーンが限られてしまいがちですが、メレ・ダイヤモンド二粒を上品にあしらった本品には、普段使いしていただきたい上質感があります。またサイズが小さなヴィンテージ宝飾時計は、和服やドレスを含め、どのような服装にもマッチします。

 本品は日常から非日常まで、どのような場でも堂々と使える上品なデザインと高い品質、一生使える耐久性を兼ね備えています。アンティーク時計は現状売りが常識ですが、当店は修理に対応しています。海外など遠方の方も、どうぞ安心してお買い上げくださいませ。





本体価格 235,000円 販売終了 SOLD

※ お支払方法は、現金一括払い、現金分割払い、ご来店時のクレジットカード払い等が可能です。お気軽にご相談くださいませ。

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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