フランスのエクスペルティズとエレガンス 《十九世紀の香りを留めるアンティーク宝飾時計 直径 22.7 mm》 プラチナ無垢の薄型ケース ローズカット・ダイヤモンド取り巻きベゼル 二十世紀初頭



 いまから百年余り前の 1910年代前半頃に、ブザンソンで製作された宝飾時計。ブザンソンはスイスとの国境近く、フレンチアルプス山中の町で、フランスにおける時計製作の中心地です。


 女性用の小型懐中時計を手首に巻いた女性。1905 - 10年頃の写真。


 時計内部の機械を、ムーヴメント(英 movement)といいます。ムーヴメントを保護する金属製の容器、すなわち時計本体の外側を、ケース(英 case)といいます。

 腕時計は懐中時計から発達しました。ムーヴメント製作の技術が進歩して時計が十分に小型化されると、女性たちが小さな懐中時計を手首に巻き始めたのです。このようにして、女性用懐中時計からコンヴァーティブル・ウォッチが誕生します。コンヴァーティブル・ウォッチ(英 a convertible watcth)とは、懐中時計と腕時計の両様に使える時計のことです。コンヴァーティブル・ウォッチは二十世紀初頭に特有の女性用時計で、これが腕時計へと進化してゆきました。




(上) 小さな懐中時計から誕生した女性用コンヴァーティブル・ウォッチ。バンドを外せば懐中時計になります。当店の販売済み商品


 腕時計は女性用懐中時計から進化しました。しかるに懐中時計のムーヴメントはすべて円形です。四角形や八角形など、円形以外の懐中時計も稀(まれ)にありますが、それらは円形ムーヴメントを多角形のケースに入れているだけで、懐中時計のムーヴメントそのものは常に円形です。したがって腕時計のムーヴメントも、コンヴァーティブル・ウォッチの時代においてはすべて円形でした。


 初期の腕時計をはめた女性。1910年代半ば頃の写真。


 コンヴァーティブル・ウォッチの時代は 1910年代の半ばまで続きますが、1920年代に入ると本格的な腕時計の時代が到来します。腕時計はもともと女性用の時計として誕生しましたので、女性用腕時計の技術的進歩は男性用よりも速く、1920年代の初めころには細長い女性用ムーヴメントが既に登場していました。流行に敏感な女性たちは、「時計は円いもの」という既成の観念を壊した四角い時計、細長い時計を競って身に着けました。

 上に示したのは四角い時計が登場する数年前に撮影された写真です。女性が着けている時計は円形のムーヴメントを搭載していますが、時計はコンヴァーティブル・ウォッチではなく、腕時計の専用機です。この時代の男性は社会的規範に縛られ、十九世紀と変わらない円形の懐中時計を使っていました。これに対して女性たちは新しく登場した腕時計にいち早く移行し、手首のお洒落を楽しみ始めています。





 本品は上の写真と同時代に制作された腕時計です。一見して現代の時計と変わらないように見えますが、ケースと機械の構造、インデックスや竜頭の意匠など、懐中時計の時代であった十九世紀の香りを随所にとどめており、バンドの取り付け方にも最初期の腕時計ならではの特徴が見られます。

 さらに本品は最初の宝飾時計であり、ローズ・カットのダイヤモンドや丁寧なミル打ちに、フランスが誇るオート・ジョワイユリ(仏 haute joaillerie 高級宝飾品)の歴史と伝統を見出すことができます。





 時計のムーヴメント(内部の機械)には、電池で動くクォーツ式と、ぜんまいで動く機械式があります。現代の時計はほぼすべてクォーツ式ですが、これは 1970年代から使われ始め、1980年代に本格的な普及を見たものです。本品が製作された二十世紀初頭にクォーツ式ムーヴメントはまだ存在しておらず、時計はすべてぜんまいで動いていました。本品もぜんまいで動く機械式時計です。





 三時の位置に付いているツマミを、竜頭(りゅうず)といいます。機械式時計のぜんまいは、竜頭を時計回りに回転させることで巻き上げます。竜頭の操作は簡単で、誰でも扱うことが出来ます。初めての方でも心配要りません。

 秒針があるクォーツ式時計を耳に当てると、秒針を動かすステップ・モーターの音が一秒ごとにチッ、チッ、チッ… と聞こえます。デジタル式など秒針が無いクォーツ式時計を耳に当てると、何の音も聞こえません。本品のような機械式時計を耳に当てると、小人が鈴を振っているような小さく可愛らしい音が、チクタクチクタクチクタク…と連続して聞こえてきます。





 1930年代以降の竜頭は機能のみを考慮した単純な形で、厚みのある円盤の周囲に刻み目を付けただけです。しかるに本品の竜頭は懐中時計の竜頭デザインを踏襲し、菊花のような形です。このように装飾的な竜頭は、1930年代以降には見られなくなります。

 十九世紀の懐中時計は、全てが熟練した時計職人の手作りでした。それゆえケースに細かい彫刻を施したり、竜頭を菊花のように飾ったりする無駄が見られました。一言で言えば、時計は芸術品であったのです。しかるに 1930年代に時計は量産化の時代を迎えます。工業製品となった腕時計は、ケースに彫刻が施されることもなくなり、竜頭も操作性のみが考えられて、あらゆる無駄が殺ぎ落とされます。竜頭を菊と呼ぶ習慣は古い世代の時計職人の間にのみ残っていますが、本品の竜頭は文字通り菊花の形をしています。





 時刻を表す刻み目や数字が配置された板状の部品を文字盤(もじばん)または文地板(もじいた)、文字盤の周囲十二か所にある長針五分ごと、短針一時間ごとの目印をインデックス(英 index)といいます。

 時計のインデックスには、年代毎に明確な流行があります。十九世紀の懐中時計はほとんどがバー・インデックス(線状のインデックス)で、稀にローマ数字のインデックスが見られます。アラビア数字のインデックスは、ほとんどありません。二十世紀初頭の腕時計はすべて女性用で、おそらく従来の時計との違いを際立たせるために、アラビア数字インデックスが採用されました。1920年代になるとアラビア数字は角ばったアール・デコ様式の字体になり、文字盤には彫刻が施されました。1930年代になると文字盤の彫刻は影を潜め、数字は丸みを取り戻します。1950年代の時計文字盤にはアラビア数字とバーが交互に書かれ、1960年代に入るとすべてバー・インデックスになります。1970年代の時計はカラー文字盤など前衛的なデザインとなり、インデックスはバー型のまま現代に至ります。現在流行のシンプルな文字盤は、1960年代に流行した文字盤の再現です。


 本品は白色文字盤にアラビア数字インデックスを有します。文字盤は淡く均一なパティナ(古色)に美しく色づいています。本品はアール・デコ期以前に制作された時計ですので、アラビア数字はブレゲ数字と呼ばれる典雅な字体で、優しい丸みを帯びています。また十二時のインデックスのみ、赤色のアラビア数字となっています。





 二十世紀初頭の女性用腕時計文字盤は、十二時のインデックスのみ赤く描かれる場合があります。上の写真は本品と同時代に制作された女性用腕時計です。この時計のインデックスは本品とは異なってローマ数字ですが、十二時はやはり赤くなっています。

 最初期の腕時計において十二時が赤く書かれる理由は、女性用腕時計がペンダント・ウォッチから進化したからであり、また夜に使われたからであると筆者(広川)は考えます。





 男性の懐中時計は、常に十二時を上にして使用されます。しかるに女性がコンヴァーティブル・ウォッチを懐中時計として使用する場合、男性と同様に十二時を上にして使用する場合もありましたが、シャトレーヌ(仏 une châtelaine ドレスの腰部分に取り付けるアクセサリー掛け)からぶら下げたり、ネックレスに取り付けたりして、ペンダント・ウォッチとして使用することも多かったのです。ペンダント・ウォッチとして使用する場合、後の時代のナース・ウォッチと同様に、文字盤は十二時が下になることがありました。要するに女性の時計は十二時が上になったり下になったりして、向きが決まっていませんでした。

 当時の女性は観劇やコンサート、パーティーなど、夜に時計を着用しました。しかるに夜は暗いので、時計の十二時が上か下かを瞬時に判別するために、十二時を赤文字にするのは良い方法でした。このような歴史的事情により、コンヴァーティブル・ウォッチから生まれたばかりの本品は、十二時のインデックスが赤く書かれています。





 本品の文字盤は時計が製作された当時のオリジナルで、百年の古色に美しく色づいています。針は懐中時計を受け継ぐ上品なスペード型で、美しい青焼き(ブルー・スティール)となっています。この時代の女性用時計はすべてドレス・ウォッチで、秒針を持ちません。

 青焼きとは鋼鉄製の針を加熱して、青い酸化被膜を形成したものです。青焼きは錆を防ぐための加工ですが、鮮やかな青の金属光沢は、白い文字盤を背景に、十二時の赤と鮮烈な対照を為しています。







 上の写真の一枚目は、ケースの裏側を撮影したものです。二枚目はケース蓋を開けて、その内側を撮影しています。蓋の内側にはメーカーのマーク、及びケースのシリアル番号が打刻されています。メーカーのマークは鍵の左に S、右に G の文字を刻み、菱形の枠で囲んでいます。

 フランス中部の東端、スイスと国境を接する地域はフランシュ=コンテ(Franche-Comté)と呼ばれ、かつてのブルゴーニュ伯領にほぼ一致します。フランシュ=コンテの中心都市はブザンソン(Besançon ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏ドゥー県)です。ブザンソンは美しい古都で、芸術歴史都市・地域(Villes et Pays d'art et d'histoire, VPAH)のひとつに選ばれています。ブザンソンはスイスへと続くジュラ山脈中の町であり、フランスの時計産業の中心地です。

 本品裏蓋に刻まれたマークは、かつてブザンソンに存在した時計会社ソシエテ・ジェネラル・デ・モントゥール・ド・ボワト・オール(仏 Société Générale des Monteurs de Boîte Or de Besançon 金時計製造総合会社)の刻印です。ソシエテ・ジェネラルは高級時計に特化し、貴金属製ケースの時計のみを製作していました。本品のケースはプラチナでできています。プラチナは金、銀、ステンレス・スティールと並んで化学変化を起こしにくく、アレルギーの原因にもならないので、時計ケースの素材として優れています。





 風防(ガラス)の枠になる部分を、ベゼル(英 bezel)といいます。現代の腕時計ケースは二つの部分、すなわちベゼルと一体化したケース本体と、裏蓋に分かれます。これに対して懐中時計のケースは三つの部分、すなわちベゼル、ケース本体、裏蓋に分かれます。ケース本体はムーヴメントの枠で、その両側にベゼルと裏蓋が付きます。懐中時計の裏蓋は、しばしば蝶番(ちょうつがい)でケース本体と連結されています。

 本品は最初期の腕時計であるゆえに、ケースの構造にも懐中時計の面影を色濃く残しています。本品のケースは懐中時計と同様に三つに分かれています。本品の裏蓋は蝶番でケース本体と連結されています。蝶番は良好な状態で、九十度に開きます。




 本品のベゼルはケース本体と分離しています。ベゼルにはダイヤモンドが隙間なく爪留め(プロング・セット)されています。なお本品ベゼルの無色透明石が真正のダイヤモンドであることは、熱伝導率を利用した検査で確認済みです。

 ダイヤモンドを並べた外側には、ミル打ちと呼ばれる繊細な彫金が施されています。ミル打ちはたいへんな労力がかかる細工ですので、オート・ジョワイユリ(仏 haute joaillerie 高級宝飾品、ファイン・ジュエリー)にしか用いられません。安価な品物ではマトリス(仏 matrice 母型)を用いた打刻により、一見したところミル打ちに見える装飾を施します。しかるに本品ベゼルには手作業による真正のミル打ちが施され、ムーヴメントを搭載したオート・ジョワイユリ(ファイン・ジュエリー)となっています。





 中世以前のヨーロッパにおいて、宝石はアゲート(瑪瑙)をはじめとするカラー・ストーンが高く評価されました。カットの点でも現在主流のファセット・カットではなく、カボション・カットが施されました。カボション・カットの宝石に輝きはありませんが、色を楽しむにはカボション・カットで充分だったのです。しかるに近世以降は宝石の色に加えて輝きを楽しむようになり、無色の石であるダイヤモンドも宝石の仲間と見做されるようになりました。

 ホワイト・トパーズ、ゴシェナイト、ロック・クリスタルなど、無色の宝石はダイヤモンド以外にも様々なものがあります。ダイヤモンドが他の宝石と異なるのは、分散度が大きいことです。分散度とは白色光を分光する能力のことで、鉱物によって固有の値を取ります。ダイヤモンドの分散度は 0.044と突出して高く、白色光(太陽光線)が当たると七色に輝きます。





 高い分散度はダイヤモンドが元々有する能力ですが、この能力を引き出すためには正しい角度でカットする必要があります。しかるにダイヤモンドは硬すぎて容易にカットできないため、世人はこの鉱物が持つ素晴らしい特性になかなか気付きませんでした。ダイヤモンドはどのような角度にカットしても光を反射してキラキラと輝きますが、それはダイヤモンドに限らず、無色、有色のあらゆるガラスや透明石に共通することです。ダイヤモンドが宝石としての高い地位を極めるには、最大限の分散を起こす理想的なカットの角度を知る必要がありました。

 1880年代から 1940年代にかけてのダイヤモンドには、オールド・ヨーロピアン・カットやトランジショナル・カットが施されていました。トランジショナル・カットは現代のラウンド・ブリリアント・カットと同様に五十八面を有します。クラウンが高く、パヴィリオン(セットした場合に下に来る側)が深いため、現代のダイヤモンドほどの分散が起こりませんが、クラウンが平坦であるゆえに、一見したところ現代のダイヤモンドと同じように見えます。

 ベルギーの数学者マルセル・トルコフスキー(Marcel Tolkowsky, 1898 - 1991)は、ロンドン大学の学生であった 1919年の博士論文で、ダイヤモンドのカットと研磨について論じました。現代のラウンド・ブリリアント・カットは、この論文に基づきます。トルコフスキーのラウンド・ブリリアント・カットはダイヤモンドの分散度を最大限に活かすカットで、1950年に完成されました。しかるに本品の製作時期は二十世紀初頭であるゆえに、ダイヤモンドには古いタイプのカットであるローズ・カットが施されています。ローズ・カットとはクラウン側(セットした場合に上に来る側)の頂部が平坦でなく、尖っているカットです。側面から見て三角形に尖ったクラウンを薔薇のつぼみに見立てて、ローズ・カットと呼ばれます。

 近世以前のダイヤモンドには十七面のマザラン・カット、三十三面のペルッツィ・カットなど、様々なカットが混在していました。ローズ・カットも古いカットの一つです。ローズ・カットのダイヤモンドを用いた本品は、一見してわかる真正のアンティーク時計であり、ブルボン王家の宝飾品のようにクラシカルな表情を見せています。





 上の写真は本品のケース裏蓋を開けたところて、ムーヴメントが見えています。左手前に大きな環状の部品がありますが、これは天符(てんぷ)といって、ぜんまいで動く時計(機械式時計)に特有の部品です。電池で動く時計(クォーツ式時計)に天符はありません。

 機械式クロックにおいて、最も大切な部品は振り子です。機械式クロックは振り子によって時を測ります。しかるに懐中時計や腕時計には振り子を取り付けることができません。時計が傾くと振り子が止まるからです。天符はいわば傾けても止まらない振り子で、クロックの振り子と同様の振動を行います。振動とは一方向に回り続けるのではなく、往復するように回転することです。

 本品の天符は一秒あたり 5回、一時間あたり 18000回の振動を繰り返して時を計測します。天符にはチラねじという極小のねじが取り付けてありますが、天符の動きが速いので、写真ではぶれて写っています。天符の振動は天符中心のひげぜんまいによります。本品のひげぜんまいはブレゲひげ(巻き上げひげ)という種類で、ゆがみもなく良い状態です。





 本品のように良質の機械式時計は、高速で作動しても摩耗しないようにルビーを部品として使用しています。ルビーはサファイアと同じくコランダム (Al2O3) という鉱物で、モース硬度 9 と非常に硬いので、高級時計の部品として使用されます。

 必要な部分すべてにルビーを入れると、十七石(じゅうななせき)のムーヴメントになります。十七石のムーヴメントはハイ・ジュエル・ムーヴメント(英 high jewel movement)と呼ばれ、高精度、長寿命の高級機です。本品はハイ・ジュエル・ムーヴメントで、写真に赤く写っているのがルビーです。ルビーは五つしか見えませんが、あと十二個のルビーは写真に写っていないところに使われています。





 ルビーが嵌まっている金属製の大きな部品を、受けといいます。二・三番受け、四番受け、ガンギ受けが互いに独立し、それぞれが棒のように細長いのは、懐中時計用ムーヴメントの中でも古いタイプに属する機械の特徴です。本品は誕生したての腕時計ですが、内部の機械は懐中時計時代そのままです。

 本品ケースの直径は 23ミリメートル弱で、百円硬貨とほぼ同じです。ムーヴメントの直径は一円硬貨よりも小さく、およそ 18ミリメートルです。風防を含む時計全体の厚みは 6ミリメートル強、ムーヴメントの厚みは 2ミリメートルしかありません。機械を小さく薄く作るのは難しいことですが、本品にはフランス最高の時計製作技術が投入されています。





 バンドの取り付け方に関しても、本品は現代の時計と異なります。腕時計のケースには、バンドを取り付けるための突出があります。この突出をラグ(英 lugs)といいます。現代の時計では十二時側と六時側に二本ずつのラグが突出し、伸縮するバネ棒を使ってバンドを取り付けます。しかるに腕時計が誕生して直後の時代に、このような仕組みはまだ考案されていませんでした。

 本品の十二時側と六時側には、単純な針金状のラグが設けられています。これは最古の様式のラグで、ワイヤラグと呼ばれます。本品のワイヤラグに適合するのは、取り付け部の幅 10ミリメートルの革バンド、または端を開くことが出来る金属製バンドです。





 ワイヤラグに革バンドを取り付けるには、端が開いた特別な種類である必要があります。ワイヤラグ用の革バンドは一般に市販されていませんが、当店では取り扱いがあります。現在取り付けられているバンドが破損しても、取り換えることが出来ますのでご安心ください。

 アンティーク時計のバンドは元々取り付けられていた「オリジナル」でなくても構いません。革製のものは言うまでも無く、バンドはすべて消耗品ですし、昔のバンドが使える状態で残っていたとしても、それは前の所有者が自分に合うサイズ、好みのデザインのバンドを取り付けているだけのことです。時計会社はバンドまで作っていませんから、自分に合うサイズとデザインのバンドを取り付けるのが、アンティーク時計との正しい付き合い方です。





 腕時計はまず女性用の装身具として、二十世紀初頭に産声を挙げました。本品はこの時代に制作された最初期の腕時計であり、最古の宝飾時計です。

 本品はたいへん古い品物であるに関わらず、二十一世紀の現代に充分通用する美しいデザインであり、フランスが誇るオート・ジョワイユリ(仏 haute joaillerie 高級宝飾品)の伝統を、そのエレガンス(仏 élégance 優雅)の裡に体現しています。さらに本品の薄く小さなサイズには、近世以来のブザンソンに引き継がれる時計制作のエクスペルティズ(仏 l'expertise 専門技術)が遺憾なく顕れ出ています。

 本品は我が国でも数少ないサーティファイド・マスター・ウォッチメイカー(C.M.W. 公認高級時計師)に整備していただき、順調に動作しています。デリケートなイメージのアンティーク時計ですが、丁寧に取り扱えば、日常使用も十分に可能です。当店ではお買い上げ後も期限を切らずに修理に対応しますので、安心してお買い上げくださいませ。


 お支払方法は現金一括払い、ご来店時のクレジットカード払いのほか、現金の分割払い(三回払い、六回払い、十二回払いなど。利息手数料なし)でもご購入いただけます。当店ではお客様のご希望に出来る限り柔軟に対応しております。ご遠慮なくご相談くださいませ。





本体価格 488,000円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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