1953　当店蔵



　1953年の雑誌に掲載されたリップの広告。右下にギ・ジョルジェ（Guy Georget, 1911 - 1992）のサインがある。

　ギ・ジョルジェはフランス出身の芸術家で、デン・ハーグの王立美術学校（De Koninklijke Akademie van Beeldende Kunsten）に学び、主にグラフィックデザインや本の挿絵で知られる。最初はロッテルダム、次いでアムステルダムに本拠を置き、多国籍企業フィリップス社や鉄道会社、エール・フランスなど、多数の企業のために美しいポスターを制作した。当店が収蔵するリップの広告もジョルジェの作品で、大胆な構図と色遣いが強い印象を与える。ギ・ジョルジェのポスターは美術品としての価値が認められ、美術市場では一点数十万円以上で取引されている。

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　左下にはアルジャンヴィック（ALJANVIC）のサインがある。ナタン・アルジャンヴィック（Nathan Aljanvik）はハンガリー生まれの芸術家で、1930年代から 1940年代のフランスで活躍した。フランス国立公文書館（BNF）の資料によると、ナタン・アルジャンヴィックは数々のポスターの他、デッサンや絵画も制作している。

　ナタン・アルジャンヴィックが自ら描いたポスターには、アルジャンヴィックが単独でサインを遺している。その一方で他のイラストレーターが制作したポスターに、そのイラストレーターのサインに加え、アルジャンヴィックのサインがある場合がある。アルジャンヴィックは 1940年代の後半、パリ八区のマルブフ街三十一番地（31 rue Marbeuf, Paris）に、同名の広告会社を設立したようである。他のイラストレーターが制作したポスターにアルジャンヴィックのサインがある場合、広告会社としてのサインである。





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