◆アイルランド西部の町ゴールウェイにリチャード・ジョイスという若者がいました。リチャードは西インド諸島のモンセラートに向かう途中で海賊にさらわれ、ムーア人の金細工師に売られて、奴隷として働きながら金細工の技術を身につけます。
1689年になってリチャードが解放されると、ムーア人の主人は、自分のところに残ってくれるなら娘と結婚させ、大きな財産を与えようと申し出ますが、リチャードはアイルランドに帰ります。アイルランドには彼を信じて帰りを待ち続ける恋人がいたのです。
◆恋人のもとに戻ったリチャードはハートと王冠、ふたりの手をデザインした指輪を作り、恋人に贈りました。ふたりは結婚して深く愛し合い、幸せな一生を送ったと伝えられています。
◆19世紀、アイルランドに大飢饉が起こり、多くの貧しい農民は祖国アイルランドを捨ててアメリカに脱出しました。アイルランド系移民にとって、指にはめた金のクラダリングは故郷アイルランドとの絆であり、唯一の財産でもありました。クラダリングは母から娘へと受け継がれるアイルランドの誇りであり、過去と現在、未来を結ぶ心のよりどころでもあるのです。
◆イギリス国王エドワード7世と王妃アレクサンドリア、さらにヴィクトリア女王も、クラダリングを愛用したことで知られています。アイルランド系のグレース・ケリーを大公妃に迎えたモナコのロイヤル・ファミリーにおいても、美しい妃の思い出とともにクラダリングが大切に愛用されています。
・このクラダリングの材質は14カラットイエローゴールド無垢で、アンティークではありません。
・ハート部分に宝石を埋め込む等の加工も可能です。価格は宝石の種類と質、カラット数によって異なります。作例はここをクリックしてください。